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June夏の香り-1 Cruel Summer

4年付き合った彼と別れを決意し、思い切ってマッチングアプリを入れた。大学生かよ、恋なんてまたできるのか、と半信半疑でスワイプを続ける。スワイプしてもなかなかしっくり来る人が出てこない。あれ、ちょっと待って。かっこいい。。。

城田優似のイケメンが出てきた。思い切って右にスワイプしたら、画面には大きく"Matching!"と表示され、指が震えた。その人と一言二言しか話してないが、週末に今夜の予定がなくなったので、空いてるかどうかと連絡が。

私はその晩渋谷で国際交流イベントに参加する予定であったが、イベントは20時からだったので、19時まで会えると伝え、夕方に原宿で待ち合わせすることになった。

原宿の小さい公園で待っていると、高身長の白人がキョロキョロ。あ、もはや。。私は久々にマッチングアプリの人と対面するので、ど緊張のあまり、その人を見かけた瞬間逃げてしまった。茂みに隠れ、心を落ち着かせる。

すると、携帯が鳴り出した。電話だ!急いで出て、その人の前に恐る恐る”HI!”と挨拶。”Ah, hi!”優しそうな爽やかイケメンではないか!どーせこいつ、チャラチャラしてんだろと思いながらとりあえず、その人について、表参道の景色が一望できるオシャレなカフェへ行った。

湿気があったが、外のテラス席が綺麗だったので、二人で座った。ドリンクは奢ってくれた。やはり、ヨーロピアンなだけあって紳士だなあ。その人はウィーン出身で、ヨーロッパ旅行や、日本に来た時のことを話してくれた。話は盛り上がり、突然、「君みたいにアプリより可愛い子は初めて見た」と言った。

私は笑うしかなかった。正直、心の中では舞い上がってたが、ダメだ、こんな一言でヤられるようなチョロい女にはならんぞ!と自分に喝を入れたが、ニヤケが止まらなかった。自分、チョロいな〜。そして気づいたら、閉店時間になったため、店を出て、彼が好きな表参道の裏道を抜けた小さな公園に案内してくれた。

その公園で彼は自分が住むウィーンの公園が恋しいと話し、日本は都市に公園と緑が少なすぎると教えてくれた。確かに客観的に見てみれば、東京に公園ってあまりないな。薄暗くなり、ベンチで過去に経験した辛い恋愛や自分の家族などプライベートな話で盛り上がった。

彼にじっと見つめられて美しい瞳に吸い込まれそうになった。うっとりしてると、気づいたら19:30!もう無理だ、今日は彼を選ぶ!うん?それでいいのか?3時間前なんといった?覚えてるか?自分。チョロい。ほんっっとチョロい。そしてさらに話すこと2時間。気づいたら21:30ごろになっていた。

お腹も空いたし、スタバでも空いてるカフェに行くことにした。彼がスマホで空いてるカフェを探し、一番近いスタバを選んでくれた。スタバに行ったが、ラストオーダーで閉店間近。うーん、帰るか、いや、帰りたくない。。そして彼の住む最寄りにある美味しいバーガー屋さんに連れて行ってくれた。

店員も皆海外の方で、彼と少し世間話を楽しんでいた。きっと彼は誰とでも仲良くなれるんだな。魅力的な人だな。いいな。彼と一緒にいると時間が溶けるように過ぎて行ってしまった。もう終電間際。もう、いいや、離れたくない。「あ、終電逃しちゃった。」キモ。自分、キモ。自然体に言うと、彼が、「え?嘘でしょ?大丈夫だとさっき言ってたから声かけなかったけど」と。いやいや、お色気兄さん、君も時間を今見たけど何も言わなかったぜ。私、見てたぜ?雨もどしゃぶりになってきたので、帰りが危ないので、カラオケに二人で行くことになった。

カラオケに入ると彼が好きな邦楽を歌い、Avril LavigneのWhat The Hellを二人で歌った。かなりヤバめの歌詞で、こんなやばい歌詞だったんだ!と二人で爆笑。カラオケは2時間くらいしかいなかったので、その後、「君がストーカーしないってことを約束してくれたら、家に来ていいよ」と言ってくれた。

家は小さいアパートで、こないだ引っ越したばかりだったので、段ボールやら、いろいろ散らかったままだった。エロい照明のランプをつけ、ベッドに座り、二人で話してその気にさせてると、薄々気づきながら、顔を見ないようにしたが、いきなり、ぶちゅっと迫られた。私は抵抗できず、身を任せてしまった。

次へ続く。。。

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