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コンテンポラリーデザインが導く循環する未来への糸口

雑誌Highsnobiety Japanへ持ち込んだwe+さんのインタビュー。昨年、雑誌にて出版された拙筆ですがウェブに上がりましたので、ご紹介させていただきます。

デザイン事務所we+さんが一般的なそれと一線を画すのはとにかく圧倒的な美学と、アーティスティックリサーチに起因するコンセプト解釈の深さなのではないかと思います。彼らはコンテンポラリーデザインファームとして活動しています。彼らの作品を超ざっくりご紹介すると、都市生活を行う中で、サステナビリティを考えたときにまず優先度が高いのが、温室効果ガスやプラスチック利用の削減・是正というのは一般的な理解として言っていいと思いますが、そのうえで、発泡スチロールに着目してデザインした椅子を展開しました。着目したのは一般的にリサイクル可能なためサステナブルだと言われる発泡スチロールは、実は中国やヨーロッパ、アジアなどさまざまな国を旅していることから、それが実際サステナブルではないか(空輸における温室効果ガスの排出量は高い)という問いを立て、さらに、リサイクルという仕組みから東京を、使用済み素材の原産地という見立へと発展させ、産業廃棄物業者へ赴きました。自らゴミを拾い、素材に対して熱を加えたりとさまざまな手法で向き合い、見たこともない不思議なテクスチャのファニチャーが出来上がりました。それは、資源の視点に変換をもたらし、リサイクル工程の簡素化に成功しています。


提供 we+


こういった、社会問題をデザインで提起したり、解決策を提案するジャンルはコンテンポラリー・デザインと呼ばれ、それについてはライターの土田貴宏さんのご著書が素晴らしくまとめられておるのですが、デザイン業界では問題提起のしすぎもまたそれで問題になったりしているようで、社会に貢献するためのデザインの推考は絶えなく、またそれが面白みだなと思っています。


Highsnobiety(ハイスノバイエティ)はモードなファッションの宣伝によって収益化を行いながら、社会問題や革新的な動きについても取材をする稀有なファッションマガジンです。本国ベルリンでの規模はかなり大きく、コラボレーションやリテイル、イベントなど日本の比にならないレーベルです。ファウンダーの方のLinkedInでの発信がいつも先を行っている感じがして刺激的です。本国のHPも是非チェックしてみてください。


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