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いいなぁじゃなくて、やってみよう。

一人で日本に一時帰国した夫が成田空港を使うと聞いて「すみませんがワンオペ1か月頑張るんでお土産を…」とお願いしていたトラベラーズノートが手元に届いてほくほく。

実家に眠っていたトラベラーズノート本体に加えて、お土産の新しいリフィルが届いて、いやはやどうやって使おうかと触っているのが楽しい。

でね、お願いしていたノートとともに、トラベラーズタイムズという情報誌まで頂いてきてくれた。

ひそかに期待しつつ、なかったら混乱しそうだからと声に出さなかったのです。ちゃんと妻の「好き」を理解してくれてて嬉しい。

「なになにー、すてきじゃーん」と言う長男と一緒に、にやにやと眺めていたら、すてきな旅日記に目がとまる。

旅の一コマをスケッチしながら、文章を書き留めていて、これはこれは素敵。こういうのができる人って、その場でササッとやるんだろうなぁ…。

「これ上手だねー」
「ねー、描けたら素敵だよね」
「ぼく、絵かけるからできるよ」
「そうだね。できそうだよね」
「ちょっと待ってね。」

そして自分用のノートを取り出してきて(そう、彼をノート好きに仕立てるために母ちゃんがプレゼントした、ちょっと良いノートですよ)、絵日記の絵を見ながら練習が始まった。

自分が見たこともない、電車の中の風景。電車の中にレストランがあるんだねー、テーブルでしょー、って妄想しながら着々と絵が広がっていく。電車好きも手伝って、どんどん模写が進んでいく。

起きてきた夫もテーブルに広がったトラベラーズタイムズを眺める。

「こういうのできたら素敵だよねー」
「そうだねー」
「でも夫は絵を描くの上手だからできそうだね」
「いやー、ここまでは難しいなー」
「でも前にやってくれたことあるよね」
「あー、でもあれは写真を撮ったのを見ながら書いたからね」
「でもそれもいいよね。旅の記録をじっくりと書き残す感じがさ」
「みてみてー、描けたよー。じゃーん」
「おー、電車の中の食堂だね。うまいうまい」
「じょうずでしょ。マミーのノートにも書いてあげようか?」

私の趣味が広がっているのも嬉しいんだけど、こうやって素敵だねって素敵なものについて喋れるのが嬉しいなぁー。なんて思って会話は終わったんだけど。

ふと。

「素敵だなぁ」って言うのは簡単だけど。
「描けないからなぁ」って言うのも簡単だけど。
練習しなかったらうまくなることはなくない?

情報誌に取り上げられるほどの素晴らしい絵は永遠に書けないかもしれないけど、でも長男がサッとノートを広げてみたり、夫が写真を見ながら模写してみたりしているのに、私何もしてなくない?と。

最初はペンを握るのも難しかったはずなのに、3歳半を過ぎた頃からお絵かきが大好きになった長男。今では「え、これ書いたの?」って驚いちゃうような落書があちこちに書かれている。

それもそのはず。幼稚園だけじゃなくて、朝起きてからもノートを広げてなんか書いてるし、こうやって気になったものがあったら書き込みに来る。

母ちゃんがデジタルノートで作業をしはじめると、やりたいーって寄ってきては絵を描いてくれる。チョークで地面に書いていることもあるし、ホワイトボードに書いていることもある。とにかく書いている。

そうだよな、日々是練習だわ。

そんなことを思ったので、母ちゃんもちょっとだけ絵を書いてみることに。目標となる旅日記のようなイラストは、まだ心のハードルが高いので、ボールペンでサッと書けるイラストみたいなのを調べてみた。


うむ、〇や△ならできそうだ。と思って、描いてみたら、これは楽しい。

シンプルすぎて、誰でも間違えないようなものを題材にしてくれているというのも手伝って、なんだか絵が描ける気がさえしてくる。

「苦手だから」ってやめちゃうのは簡単。
「できないから」って見て見ぬふりするのは簡単。

でも、それだと一生「いいなぁ」って見るだけになっちゃうから。ちょっとだけ手を動かしてみたらいいんじゃないかと。

デジタルノートに自分専用の「おえかき帳」を作ってみた。ここに少しずつイラストをためていったら、ページを重ねるごとに「絵は描けないから」という気持ちを手放せるかな。


休憩時間に15分くらい遊んでみたんだけど、家に帰って、さっそく師匠である長男に見せてみた。

「私も上手に絵を書けるようになりたいなぁと思ったから、今日は練習してみたんだよ」
「え!オフィスでお絵かきしたの!?」
「うん。ちょっとだけ、こっそりね」
「えーー、マミー上手じゃーん。」

お褒めの言葉を頂いた。これはこれはやる気になるじゃないか。毎日10分でも良いから、ちょっとやってみよう。

日記を書いている時に、ちょっとした絵を書きこめるようになったら楽しみが広がりそう。まずは、それを目指してみよう。

サポートありがとうございます。私のところで止めるのではなく、別の方へのサポートという形で「幸せの輪」をつなげていきたいと思います。