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【カラダ・教育】中学生へのトレーニング指導

月に一度、中学生スポーツチームへのトレーニング指導を行なっています。

中学生チームにトレーナーが派遣される時代になったのです。
初めの頃は「中学生にトレーナーなんか贅沢だ。子どもがわがままになるだけだ。甘やかしてはいけない。」などの声もありました。ですが、せっかくなのでしっかりと教育をしようと心がけています。

「教育」というと仰々しい感じもするかもしれませんが、私の目的はまさに「教育」です。

ここ10年くらい、いや、もっと前からかもしれませんが、自分の体に向き合わない人が増えていると感じています。大人も子どもも。すぐに治療院や接骨院へ行き、その人たちの言うことを100%信じてしまう。または、インターネットで調べてそれを信じる。自分の体が発している情報に耳も目も向けない。

痛みもケガも経験を重ねて、これはただの筋肉痛だ、これはケガかもしれない、とわかるようになります。

少し話はそれますが、以前あるスポーツで全国大会上位にいた元選手と仕事をした時の話です。(すでにどこかで書いた内容かもしれません)

舞台で体操のように飛んだり跳ねたりする演目を毎日こなす元選手。体は大丈夫かと訊ねると「大丈夫です!」と答えていました。それがある時突然「アキレス腱が切れそうです😰」と訴えてきました。

- 待って、待って。昨日聞いたよね。大丈夫?って。そうしたら「はい、大丈夫です」って答えたよね。ちょっとでも違和感があったら教えてって言ったよね?
「違和感は全くありませんでした。予兆もありませんでした。急にきました。」
その後、毎日、毎舞台終了後、違和感はないか、痛みはないか聞き続けました。そして「違和感はありません。大丈夫です。」と返事をもらいました。そしてある日突然訴えるのです。
「アキレス腱が切れそうです😖」

この元選手が、どうしてこうなったかと言うと原因は高校生の頃にありました。当時、痛みや違和感があり顧問の先生にそれを伝えると、顧問の先生が選手に対して「いや、それは痛みじゃない。違和感なんてない。」と選手の痛みや違和感を否定したのです。そのことがきっかけで、その選手の脳は痛みや違和感を感知しなくなってしまいました。そして本当に危険になるギリギリまで痛みを本当に感じないないのです。ひどい話です。

それを知った私は、彼に自分の体を毎日触るように指導しました。
- 今日のアキレス腱の状態はどうですか?昨日と比べて腫れている?熱を持っている?変わらない?
すると「ちょっと熱いかも…しれません」
- では、今日はしっかりアイシングをしましょう。
「ちょっと筋肉が張っているかな…
- いつもより入念にストレッチをしてマッサージもしてみましょう。
こんなやりとりを繰り返した結果、元選手はやっと感覚を取り戻しました

「そんなこと選手に聞かないで、トレーナーが直接診てケアをしてあげたらいいじゃない?」と思いますか?

それではだめなのです。
なぜダメかというと、トレーナーがいなければ自己管理ができなくなってしまうからです。自分で気づき、自分のできることは自分で行う。自分でできないことはプロに相談する。そして学び実行する。これが「自己管理」です。
選手(選手だけではありませんが)が選手自身でできることをトレーナーが行なってはいけません。

中学生の頃から自分の体としっかり向き合い、今どんな状態であるかを感じることは、彼らの未来にとっても大切なことです。

体の調子を誰かに委ねてしまうと、心まで左右されてしまいます。ケガではないのにケガだと思い込み治療費を払ったり、ひどい場合は手術をされてしまうかもしれません。病気にされてしまうこともあります。不要なサポーターやサプリメントを買わされてしまうかもしれません。

私の関わった子たちが、高校生、大人になっても自己管理ができるようになるための「教育」なのです。

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カラダとココロのメンテナンス
株式会社りとるジム
www.littlegym.jp

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