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blue クリスマス・イヴ

今夜はクリスマス・イヴ

クリスマスはどうでもいいけど、淋しい。

今年寄ってきた男は、3人いた。
一人はグズだけど。

ホテルの鏡の前で自撮りした写真をインスタに上げている男。
自撮り男と呼ぼう。

自撮り男に去年一度告白されたけど、「好きな人がいる」と理由を付けて断った。ストレートに無理といった方が良かったかもしれない。
自撮り男からの連絡には98%の確率で返信しないのに、今年は「きみと結婚したい」とチャットで言われた。

就活選考に落ちたときに採用担当の人が書くメールのような文で断った。

実際は、自撮り男はいい人。プロポーズのようなことをチャットで言ってしまったのは、多分わたしが会ってあげないし、電話にも出ないからだろう。

背が高くスペックも高い、いい人なんじゃないと皆は言ったけど、自撮り写真をインスタに上げていることはどうしても見逃せない。

些細なことで人にチャンスをあげられないのは、自分の悪いところ。

二番目の男は、グズ男。
奥さんがいるのに、わたしと恋愛しているかのようなポエムを何回も送ってきた男。

何ということもなく普通にスルー。

グズ男は、高校の頃気になっていた年上の男。急に連絡がきて、最初は懐かしい気がして、昔からの友達のような感じでやり取りをしていたが、だんだん不適切なメッセージが多くなった。

男としても、人間としても、無理。

最後の男は大学院の友達。悪いところが一つもなく、いいところに溢れた男。

「結婚を前提に付き合ってください」と。

専門も同じで、仕事も関連していて、この男と一緒にいると将来も安定しそうだし、自分の仕事のことでもなんでも話すことができるかもしれない。明るい将来が想像できるかもしれない。

そうかもしれないけど、愛せない。

そのような男でも愛せないのなら、わたしはもう、男を愛すことができないなんじゃない?

でも、長い付き合いだから分かる: この男といると自分が疲れる。

この男は、わたしの親友がずっと好きだった人で、二人はお似合いだ今も思っている。だから、この男の相手はきっとわたしじゃない。

自撮り男を振ったときは悲しい気持ちがあったのに、この男を振ったときはなんとも思わなかった。

振ってもきっと大丈夫だと思うから。

今夜はクリスマス・イヴ

クリスマス・イヴなんてどうでもいいけど、青く煌めくクリスマス・ツリーを見るとちょっと淋しい。