まどろむ貴方へ
今日もとても高い天井の下でぼくは眠る。扇風機の音が響いているこの部屋で、君と抱き合える夢を見た。
夢の中の君は少し風邪気味で、眠りながら鼻をすすっている。その音がとてもいとおしく、思わず近づくと君のおでこからほんのり熱い体温が感じられる。
蒸し暑いその部屋は微熱の君によく似合う。生乾きのままこの乱れたシーツの上、汗に濡れた君をいっそ抱きしめたい。
昼も夜も、夢の中でも、目が覚めても。
ぼくはずっと君の夢を見ているのだろう。微熱の君、くたびれた君をずっと見ているのだろう。ねえ、休もう。さぼろう、消えてしまおう。この泥だらけ、汚らしい世界を、もう一度愛せるまで。