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【上京日記】はじめます

東京へ引っ越した。
奈良県民・実家暮らしだった私にとっては、郵便番号の数字が1から始まること、市ではなく区に住むこと、ほぼ自分だけが毎日を過ごす場所ができること、とにかくいろんなことが新鮮だった。

2/21 1日目

母と一緒に東京へ着いた初日は、新築の、あるいはリフォームしたての特有の匂いにやられた。朝5時に起き、雨が降る中で重いスーツケースをひきながら新幹線に乗り、部屋があるマンションまで辿り着いたというのもあってもちろん疲労は祟っていた。

外を歩いているときは何ともなかったが、部屋に帰ってきた途端に酸欠のようになって頭が痛くなってきた。換気をして横になる。フローリングの固い床でさえ心地よく感じた。

痛みがましになってきたところでカーテンを取り付ける。大きな段ボール4つにまとめた荷物と、間接照明が届いた。間接照明が思っている以上に明るくてうれしい。部屋の天井に電気を付けず、間接照明をメインの照明として使うので、部屋の基盤のパーツがはまった気持ちになる。
晩ごはんにペッパーランチを食べる。ソースと胡椒の甘辛さがお腹を満たしてくれた。

家に帰ってお風呂に入り、布団と寝袋を出してそれぞれ寝転ぶ。「1日目、よく乗り切りました」という母の声が頭上から降ってきて、じわりと涙が出た。疲労と、ダウンしている私の代わりに手伝ってくれた母への申し訳なさと、こうして生活を1人でやっていくのだという不安がごちゃ混ぜだった。

間接照明は30分後に電気が消える機能がある。30分後には眠れて、消えるのに気づかないといいな、と思いながら、目を瞑る。

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