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旧約ぐりんびー物語29話🏍自由への扉

レインボーベアと
しばし穏やかな時を過ごし
準備万端のミミちゃん

でも
でも
ぬぐいきれない不安
隠しきれない寂しさ
二匹はこわばった笑みを浮かべ
待機用スコーンもすっかり食べ終わり
いよいよ
ガブちゃん出発の朝になりました。

自由への扉
重たい扉だろうと
二匹は仲間達を信じ
お互いの扉を開けました。

すると
赤!青!緑!
光の渦巻きが眩しく
光の渦巻きが消えると

赤…海辺のぐりんびーの灯台
青…高く済んだぐりんびーの空
緑…遠く連なるぐりんびーの山脈が
二匹の視界に入ってきました。

お昼少しすぎに約束
とおりにやって来たのは
ガブ隊長
10匹のガーリーねずみも勢揃い

でも
ガーリーねずみから
少し離れて後退りすると
ガブちゃん顔に後戻り

今度は
もぞもぞし
いよいよだって
考えすぎたのか
緊張でお腹が痛そう

緊張してるミミちゃんも
何も気付かず
「ガブちゃんどしたの?
ねずみさんたち整列してるのに!」と

そんなミミちゃんに
気がついたのかガブちゃん
陽の光を浴びた責任感で
赤、緑、青色に
ピカピカひかる銀色のスクーター
重たい気持ちで
重そうに押しながら
ミミちゃんの側にきました。

「ガブちゃんどうしたの?
なんで点呼しないの!」

「それがその…
いつものことなんだけど
やっぱりお腹がさ…」

ミミちゃんまで
恥ずかしいような
情け無いような
ガブちゃんの気持ち
伝わってきます。

「食べ過ぎても
風邪を引いても
緊張しても
お腹が痛くなるんだから!
大丈夫よ!
気にしすぎだって!」

「そんなに大きな声出さないで!
部下のガーリーねずみに
聞こえちゃったら
格好付かないよ」
あわててシャンとしたガブ隊長。

「ごめん
ごめん
大きな声はイカクの練習
でも
みんなも緊張してるよ
聞こえてないわよ!
聞いてる余裕があるのは
クロエくらいよ!」

「作戦と聞くとクロエだ。
今度の作戦は奴には関係ないから
よけい心配だよ!
ねずみたち
クロエについ騙され喋って
いつも事件になるんだから…
本当に
クロエは噂と
弱みが大好きだし…
心配だよー!」

「でしょ
ガブ隊長!
くれぐれもクロエに御用心
はい!
それから
戦闘用スコーン」

気心の知れた仲間同士
昔からの仲間のようで
気心が知れてるから
緊張も解きほぐれて
仲間同士っていいね

「集合!」と、
ガブ隊長の号令が
ぐりんびー村中響き渡り…
とは
いきませんでしたが
充分に大きな声に
10匹のガーリーねずみ達は整列し

カメのノコノコさん
マリーとサムと子供達
村長うさぎも
見送りにきました。
それから
何時もの樫の木に留まって
フクロウ爺さん
ガブちゃんやねずみ達のゴム底を
よし!
よし!
よし!と
11回チェックしました。

「よ〜し!!」と
12回目のよし!はなんだか
不気味な低い声が聞こえてきました。
暗闇に光る2つの怪しい目
そう!
ムッシュ、クロエがどこからか
のぞいていたのでした。

「任務遂行目指し
じぁあ!祈ろう!」
これでしばらくは
ガブ隊長になったガブちゃん

自分に任された使命に
忠実に行動できるよう!
自分という感情を捨て
仲間達を第一番に考え!
たとえお腹がグーグーなっても
仲間達の安全わ第一に考え!
自分が眠たくなっても
決して居眠りしないで
みんな無事に任務遂行目指し
みんな無事に任務完了し
ここ
ぐりんびー村帰れるように
更なる自由への扉を開けました。

自分のために
みんなの為に
そして自分の知らない誰かのために
新しい自由への扉を開けました。

「天のお父様❗️
ぐりんびーの森で
何時も良い行いをしていないぼく達
あなたからいただいた恵みを受け
これから仲間になる友達を
研究所から助けに行きます。
助けに行く間
多くの仲間を助け
誰も傷つかないように
どうかお守りください
今だけ
いや!
最後まで見捨てず
どうかお守りください。」

ガブちゃんのお祈り
一生懸命なのお祈り終わると
ガブ隊長と10匹のガーリーねずみ達
沈む夕陽の方向に向かって

モグラ穴迄ですが…

誇り高く勇敢にダダダッーと
重低音とまでいかない
轟音を立てて出発しました。

…モグラ穴目指して…

それは、重く
ぐりんびーの仲間達が
共に背負い戦う
運命の扉でもありました。


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