流れ星

大学生の時に初めて流れ星をみた。

サークルの友達達となんとか流星群を見に行こうという話になったとき、「東京は明るすぎるからどこか田舎にいって見よう」「ついでに富士山を見たい」という事で富士山の麓までいくことになった。

問題は交通手段。キャンパスの学食を昼・夜兼用にしようなんて考えてる貧乏学生が流星群をみるためだけに、新幹線代なんて出せるわけ無く困っていたところ、6年間キャンパスにいる先輩が車を出してくれることになった。先輩なりの退部防止策だったと思う。

真っ黒なハイエースに定員マックスまで乗って、東京を出た。そういえば行き帰りのガス代や高速代なんか後輩は気にもしなかった。先輩は運転中にそれをたしなめたりする事もなく、黙々とハンドルを握っていた。

初めて夜の東名高速をハイエースが東京から神奈川そして静岡の方まで駆けていくのがとても新鮮に感じて、すごく都会的な遊びな気がした。

富士山の麓についてたくさんの流れ星を見て、わあと感嘆した後、その時になにかお願いしたんだろうけど何も覚えていない。そのときはあまり欲がなかったのかとてもくだらないお願いだったのか。その時の夜のドライブが刺激的でそれだけで満足していたんだと思う。

今、流れ星をみても自分のことだととてもつまらない願いをするだろう。

それならお泊まり保育の時に「流れ星をみておねがい事をする子ども達をみたい」とお願いしよう。

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