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子育て短歌、ここで一首。

病気して
死を感じると
変わるもの
子の我がままも
素直にきける



ちょうど今、私はお昼ご飯を食べている。

いつもの外活動の日に最近持ってきていなかったグローブを家にとりに行ってこいと長男(11歳)が怒っている。

私はまったく興味がないが、どうやら日本が野球で盛り上がっているらしい。今日はそこで遊ぶ男たちがみんな野球の空気をまとっている。来た時点で『失敗したな・・・グローブ持ってくればよかった』と薄ら思ってはいたが案の定、野球がやりたくなったのである。ゆっくりご飯ぐらい食べさせておくれよ・・・。と色々交渉するも

『今だ、今すぐ取りに行ってこい』

ここからだ。
いつもなら我が子のこういった我がままもどの時点で彼の要望を聞くか?交渉というかお互いの落しどころをどこに見つけるか?を探ることになる。


私は今お昼ご飯を食べているから食べたら行ってくると言っているのに(譲っているのに)いいや、今取りに行ってこい(怒)から何も譲らない。

いつもならここから延長戦の交渉術が始まるのだが先日歯医者に行ったら私の左奥歯が大変なことになっている。治療費に300万かかると言われたばかりだ。(自費診療)私にはよくわからないが深刻な状態らしい。歯がコンプレックスだし今まで自分の納得のいく歯医者が見つからず歯医者さんの本などを沢山読んでいるので歯(口腔機能)の状態が悪いことは内臓や脳の病気の元巣になっていることを思い、若干の「死」を感じたばかりで病気にすでになってしまった気持ちになっていた。


今すぐに死ぬ病気ではないが今後明らかに病気の原因の1つにはなるだろう。私の母はすい臓がんで59歳で亡くなった。私が今41歳だからあと18年・・・。なんて先日考えていたものだから『子どもが私に我がままを言ってくることなど、あと何回なのだろう』と思うと我が子の我がままも可愛く思えた。お昼ご飯の途中だが


『わかったよ、今からとってくる』


と食べかけのお汁と納豆巻きをおいて家に向かった。
いつもなら取りに行く道中でプリプリしながら、まったく我がままなクソガキが~(怒)と思って怒っているのだが短歌という芸術で感情を癒す術を手に入れてからひたすら五・七・五・七・七で今の気持ちを考えながらグローブを取りに行った。その時作ったのがこの歌である。グローブを取りに行ってきて息子に取ってきたよ。と渡すも野球熱はどこふく風。早速使う気配無く違うことをして遊んでいた。そんなものなのである。


子どもはいつだって母に、
ただただ甘えたいのである。
ただただ我がままを言ってこちらを試しているのである。

『いつでも俺を受け入れてくれる?』と。

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