私は私をやめれない。
9月になった。
少し夜の風が涼しくなって、生ぬるーい夏の風にちょっと寂しさを感じられるようになる季節。
私はこの季節の風が好き。
そんな私は、
今年のこの季節も実家に帰省していた。
今年の帰省は去年に比べて充実している。
私の夏までの目標は、
『今の自分に自信を持って、友達に会うこと』
だった。
友達のいかにも充実している話を聞いて、落ち込みたくなかった。なんで、私と同じ半年を送っているのにこんなにも恋をして可愛くなって。。。
なんて思いたくなかったから。
この目標は、今年見事に達成された。
というか自然と達成した。
去年の私が1番友達の話を聞いて、落ち込んだことといえば恋愛だった。
話せばポロポロと溢れる恋愛話に私は頷き、聞くだけの人間だった。
〇〇は彼氏と今どんなかんじなんだっけ?
とか会話を回しちゃったりなんかしちゃって。
その度に、あれ。私と同じ時間を過ごしてきた
はずなのに、私はこれっぽっちも前進してない
じゃない。と思わずにいられなかった。
お月様が登ったり沈んだりしている間にみんなは、そんなことをして、感じて、してたのね。
私は自分を生きるのに精一杯だったよ。
そんなことが頭によぎることもあった。
もう一つ、私が落ち込んだのは、
垢抜けた。という会話だ。
久しぶりに会った友達同士で盛り上がる、
〇〇ちゃんってさ〜から始まる会話。
私に入って来る会話は、垢抜けたよねー、あの子。ますます可愛くなった。
『moka!!は変わってないねー。いい意味でだよ。』
のお決まりの流れだった。
私も、自分なりに頑張ってみたんだけどな、
私も変わりたいな、変化したい。
そんなこんなで夏を超えて、私は気付けば、自分が以前から好きだった邦ロックのライブに行きまくるようになった
一つのことに夢中になったら一直線の性格はここにて、役に立ったらしい。
自分の好きなことを追いかけてお金を貯める。ライブに行ってアーティストの言葉、歌、声に感動する。そしてまた、イヤホンの中で出会った新しい世界にどんどん飛び込んでいった。
2年生になると、少しばかしの出会いを求めて
サークル、新しいバイトを始めたけど、
新しい出会いが生まれることはなかった。
ちょっと、自分の心が疲れた、だけだった。
合コンに行く機会も作ろうと思えば作れた。けど、自分の性格上、合コンに行って出会うなんてエネルギーを使うことも出来ず、、
結局、仲のいい友達と遊んで、ライブに行って、
少しライブを通して知り合いができたくらいの一年だった。
今年の夏。
実家にて。
あんたいい人おらんわけ?なんて会話が母の口から飛び出した。誕生日は?実家にいるの?
私だって、人を好きになりたくないわけでもないし、彼氏も欲しいけど。
今年聞いた友達の恋話は、なぜか落ち込むほど羨ましいと思わず、母親からの忠告にも何も思わなかった。
恋愛の問題は解決しなかったけど、垢抜ける方はネイルをしたり、色んな服を試したりメイクを研究してそれなりに頑張った。
でも、そんなことはどうでもよくて、
自分の中に確実に芽生えた感情は、
それ以上に気付けば充実していた。
ということだった。
ごめん、お母さん。
好きなことして生きてるのが何より楽しいでさ、
幸せなんだわ。私。
友達曰く、心許せる女友達にあって、ライブいって、好きなことしてる時の私が1番輝いてて全力で笑ってるらしい。
そんなことに気づいた瞬間、大好きな友達と過ごす予定を誕生日の日に入れ込んだ。
自分が死ぬほど愛したいと思う人は、神様に願えば会えるものでもなかった。
もちろん、そうだ。
サークルに入ったり、色んなのに参加して行動的に動いても飲み会いっても、男の子と話す機会があっても、私は気になる存在ができなかった。
でもさ、約束するよ。
死ぬほど愛したい、知りたいって思う人があらわれたらさ、全力で追いかけてみせるよ。
それまで、私は私をやめられない。
大好きな曲を。
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