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0311・0324 ”Link! NAMIE ”プロジェクト始動 【次への一歩】2022

つどい、まじわり、うみだす4日間。
ローカルSDGsユースセミナー CIRCULAR YOUTH CAMP

Day 1 KICK OFF 先駆者から知恵を学ぶ・参加者との顔合わせ(0224)
Day 2 DIVE 現地訪問(0306) 

午前は浪江の花農家・荒川さんのハウスで、トルコキキョウの定植作業。
お昼をhana cafeでいただき、
午後は野菜農家・永田さんご夫婦の畑、作業場にお邪魔しました。

今回の体験一つひとつは、
何かものすごく特異で特別な体験というわけではないかもしれません。
ここにしかない! というわけでも、
ここでしかできない! というわけでもないと思います。

今回、浪江の地域講師をしてくださった菅野瑞穂(すげのみずほ)さんは、
原発事故のあった福島県浪江町という場所で、
しかしながら、「震災の教訓」を学ぶためのツアーにはしたくない、
という思いで、今回のプログラムを企画されました。

町には、震災遺構の請戸小学校があります。

隣町、双葉には東日本大震災・原子力災害伝承館があり、

「福島県環境創造センター」(三春町)で、放射線や環境問題について学ぶこともできます。

でも、「そうではない」ことにこだわられた、今回のツアーは、なんだったのか。

これから先何十年、もしかしたら何百年、日本全国、世界各国から、
「福島」は、
ある種の視線にさらされ続けるし、ある一定の関心をもたれ続けると思います。

もちろん、「震災や事故を忘れないで!」と、関心が薄れることへの危機感、「継承しなければ!」みたいな声もあるのだけれど、
それでも、福島は何らかの「学び」の場となって、ある意味ずっと歴史から消えずに、この場所にあり続けると思います。

そうしたときに、外から(後から)「福島」を見る/知る人が、
学習施設を訪れたり、街並みを眺めたりだけでなく、
瑞穂さんのようなつないでくださる方が一人いて、一歩、「誰か」のプライベートなスペースに、踏み入れさせてもらう。
私的な領域を、こうして外の者に少し「開いて」もらうことで、「誰か」の生活空間に触れることで、
私たちは、外から問題・歴史的事実、知識を体系的に頭に取り入れる存在ではなく、
その「誰か」とつながりあっている存在になれます。

ここに行ったことでこんな知識を得ました、こんなことが出来るようになりました、という、”何かを得る” 変化とは違う、
もっと質的な、豊かな変化。
私というひとりの人間が、”成長する”とか”力をつける”とかでなく、
もっと、なんだろう……。

瑞穂さんが参加者に投げかける、今回の旅のテーマ、
「福島の地で安心安全な食を守り、行動し、自分の生き方を見つめる旅」。

DAY2の現地プログラムの最後には、浪江駅前のワークスペース、「なみいえ」で、体験の振り返りをしました。

「なみいえ」にて、今日の体験を振り返り、感想を共有します

好きだから、楽しいからやっている
自分でつくったもので、誰かに喜んでほしい
みんなが帰って来られるように、帰って来るならせっかくなら荒地ではなく緑豊かな場所にしたい、という願い
「おいしいんだよ、たべてみて!」という農家としてのプライド、自信

来る前に抱いていた震災や原発事故から連想される「苦しみ」「悲しみ」のイメージは、
農家さんたちの明るく朗らかで前向きな姿勢に触れ、楽しさや喜びを共有し合う体験を通して、全く違う次元へと昇華されたようでした。

日本中世界中、人それぞれどこでもいいと思うんですが、
自分にとって、「ここ」と思いを寄せられる、
自分の存在をちょっとだけ委ね、預けられる、
そんな場所がひとつ、あるだけで、
人生がちょっと軽く、深く、明るくなる。

「学び」の場として、あるいはレジャーの場として、
もっと言えば自分の消費生活を支える生産の現場として、
その土地や人を”消費”してしまうのではなく、
一緒に「こんなことやったら楽しそうだよね」と手をとりあって、
そんな時間や場をつくり出していける、かけがえのない関係性。

他ではない「ここ」、そして「あなた」でなければならないし、
そしてそれには他ではない「わたし」でなければならない。

私にとっては、その大事な一つが、「浪江」という町で、
今回、その感覚を共有できる仲間ができたこと、
仲間を通して「浪江」が改めて自分にとってそういうかけがえのない場所になったことに、
これ以上ない しあわせ を感じています。

DAY3 CULTYATE アイディアを育てあう(0311)
DAY4 CIRCULAR DEMODAY 挑戦の連鎖を生み出す(0322)

今回DAY2で体験した、浪江の楽しさ、ピュアな姿、魅力を、
いろんな人にもっと知ってほしい! 一緒に知っていきたい!
そんな思いで、大地さん発案のもと、
チーム名は「なみえみんなへ」に決まり、私たちの結束感はさらに強まりました。

きくてぃの「Link!NAMIE」プロジェクト命名で、
チームがこれから向かっていく先が、一筋の光で照らされたように見えました。

みんな、なんて言葉のセンスが光るんでしょう!

れいちゃんがmtgを踏まえてプレゼン資料の土台をつくってくれたことで、
DAY4 DEMODAY最終発表への準備がスムーズに進み、チームが発信するメッセージがぐっと力をもちました。
(これまた、パワポがとてもセンスがいい……! 共有してくれた瞬間のみんなのテンションの上がり方、思い出すだけで高揚感がよみがえります)

そして毎回こまやかな準備と、mtg中の機敏で的確なパス回しで議論を導いてくれたいっぺー君のおかげで、安心感のなかで、生き生きした発案・気づきの共有ができました。
さっと、タイトルの写真を撮ろう、と言ってくれたのもそう。
"Link"の "L" を指に灯して。笑顔でつながれたこの写真、私のお気に入りです。

チームのみんなが、ただただすごくて、
ことば一つひとつに溢れる優しさと愛がとにかく心に沁みて、

私はひたすら、
 わあ、すごいよぉ
 今、めちゃくちゃしあわせだよぉ
 みんな大好きだよぉ〜
と、謎の念を送りながら、議論に有益なことを全く発言できずにいながら、笑
 ファシリテーターなのに、みんな、ごめんねぇ
 でも私なくても本当に、みんな、すごいんだもん、笑
 とにかく、こんな参加のし方でも許されるなら、時間を共有させて……笑
と、みんなを拝みながらひたすら画面の前に食いついていたのでした。笑

「農業がもたらす創造的価値とは?」
「地域を支える食や農が持続可能な未来をつくるためにわたしたちができること」という瑞穂さんからの二つの問いかけに、思考を重ね、議論を尽くしたこの1ヶ月。

震災から11年のこのタイミングで、
11年後の浪江が、そして浪江と関わる自分たちが、どうなっていたいか、どんなことができるか、アイディアを出し合った1ヶ月。

この「11年」というのがミソで、
行政やメディアが震災から10年、次の10年、と数えるときの時間の捉え方と、
ちょっとしたニュアンスの違いがあるのではないかと思っています。

歴史的な時間の経過の意味での10年の区切りと、
今まさに、私たちが息をして、生活をして、人と出逢って、交流して、
生きている流れの中での11年という動的な時間。
たった今、20代という時間を過ごしていて、それぞれ仕事をしながら、もしかしたらこれから家庭をもちながら、30代へと歳を重ねていくこれからの11年。
それぞれのこれまでの軌跡が、ここで交わり、「浪江」という一本の素敵な道が加わりながら、そして次の11年へとつながっていく、時間が紡がれていく……

今回浪江に行ったことで、この4日間のプログラムに参画することで、
私は「すき!」を重ねるばかりで、
おそらく"成長"していないし、”何かの力”もついていなければ、発揮もしていなくて、
町のために何か、とか、あるいは、外から来る人のために何か、とか
できる存在にはちっともなれていないのだけれど、

こんなに素敵な光景を目にした証人として、
自分が後から今日の日を、この素敵な1か月を振り返れるように、
せめて記して残しておきたいと思いました。

これも全て、大学院生時代にお世話になった浪江の方々とのご縁、今回声をかけてくださった瑞穂さん、ミテモさんのおかげです。

これからたくさん、チーム「なみえみんなへ」発信で、いろんな楽しい機会をつくり、輪を広げ、重ねていきたいですね。

ひとまず駆け抜けたこの1ヶ月、みなさま本当にありがとうございました。


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