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なつのおもいで『ア、秋』

夏の中に、秋がこっそり隠れて、
もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、
それを見破ることが出来ぬ。

『ア、秋』太宰治

海辺のさんぽ。
綺麗な海に1匹のトンボ。

トンボが飛ぶのをみていると、ア、秋を思い出す。
いろんなところに「秋がこっそり隠れて」というように
至る所にすでに秋が近づいてきている。

田舎の夏は蝉の音も、鈴虫の音も聞こえる。
冷房をつけなくても涼しい風。

コロナによって、もう随分と行けていない祖父母の家。
スイカを食べて小さい頃は花火をした。
大人になってからは、縁側でビールを飲んだ。
夏は一緒に甲子園を観ることが日課になっていて
夏休みの宿題も絶対にまとめてやっていた。

変わらないものはひとつもない。
少しずつ、少しずつわからないように「こっそり」と
次の季節に向かって準備が始まっている。

買ったけれどできなかった花火。
季節外れでもいいからできる日が来ることを楽しみに。

今年の夏もいい夏だ。

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