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ルーツをたどる『津軽』

或るとしの春、私は、生れてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ三週間ほどかかつて一周したのであるが、それは、私の三十幾年の生涯に於いて、かなり重要な事件の一つであつた。

『津軽』太宰治

3週間。
人生の中で、旅に3週間かけられることって
どのくらいあるんだろうか。

私が旅に出るのは自分探しではなくて
また生きていくために、本当の自分になれる場所
想いを馳せる場所を訪れたいから。

『津軽』を持って太宰の巡った土地を旅する。
そこに目的はない。
ただ、見たもの、感じたものに触れたいだけ。

恋に似てるかもしれない。

好きな人の心が動いた瞬間を共有したいという
憧れがあるんだと思う。

縁もない青森にいつか行きたい。
生まれた場所、育った場所、ルーツになる場所。

はじめて太宰好きを人に話した高校生の頃
批判されることの方が多かった太宰を
1ミリも嫌いになれなくて、人が嫌うたびに
どんどん大好きになっていった。

少なくても1週間、五所川原の街だけでも訪れたい。
携帯は持たない。電源もつけない。誰とも関わらないで
太宰のことだけを考えて1冊の本だけを持って旅に出る。

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