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ロック・ワグラム

同じウイリアム・サローヤンに、ロック・ワグラムという長編小説があります。こちらはうって変わって、若いシネマ・スターの物語です。米国ではマイノリティーのアルメニア人だったと思いますが、その彼が、結婚相手を探しながら、大陸を車で縦断し、故郷のアルメニア人のコミュニティーに帰る、という粗筋です。職業の映画撮りを無断でさぼって。彼の唯一の目的は、「自分の子を生む女性と結婚したい」とその一点で、相手の女性を探しながら、車を走らせる。(今の女性からは大ひんしゅくを買いますね)。故郷に帰り、祖母と再開すると、「お前の子供を生む女はいるのかい」、と開口第一声。そのような価値観の民族のよう。彼一人でなく、民族がそうだ、となると、他国の女性も口出しできないですね。

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