いざ、入手。

2019年7月、いろいろあって横浜にいた。
当初案内してもらう予定のお店がお休みだったそうで、横浜のそのお店に行くことになった。

相鉄天王町駅から近く、おもしろ屋さん。

中に入ると、昔からの古道具屋さんの佇まい、山と積まれた古着。すごい。さっそく見せてもらうことになる。自分の体格からすると古着はサイズが足りないらしい。もう5センチ低かったらもう少し選択肢があったかもしれない。
その日たまたま入荷したばかりのものがあり、それを羽織らせてもらう。まずは濃い青から。
「……」
「……」
「なんかふつう」
なんか普通て。その普通のが欲しいんだが、と思ったが、いまいちピンとこないのも確か。では次。茶色。
「あ」
「これだ」
「いいね」
確かに。こっちのほうがしっくりくるな。
同行者はわりとすんなり決まった気がする。彼は姿勢も良くすらりとしているので、なにを着ても似合うのだ。比べて自分の何と姿勢の悪いことよ。確認のために写真撮ってもらってもなんかにやけてるし。もう買う気満々じゃん。

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一旦、近くのファストフード店に退避。タピりつつ(もはや死語)、検討会を始める。
検討会とは言っても、ほとんど買うか買わないかだけの話で、どの色にするかとかそういうのは選ぶというよりは「これしかないね」「そうですね」という確認だけだった。

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さて、お店に戻り、ほかの知らないお客さんの着姿見て「そっちが良い」だの「かわいいなあ」「似合うなあ」などというおじさんムーブをかまし、その上でつつがなく購入。買ったのはアンサンブル(羽織と着物のセット)、袴、角帯。腰紐とハンガーはたしかおまけでしたっけ。トータルで25000円。
そういえばお店の人は静岡に御縁があると言っていましたな。そういう関係あるようなないような、ささいなつながりが着物とのご縁を呼んでくれたのでしょう。

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ちなみに行きは高速バス、帰りは鈍行列車。高速バスはそろそろ厳しくなってきたが(快適な幅広シートなんて自分の住んでいるところの路線にはないのだよ)、鈍行列車は同じくらい時間がかかっても耐えられる。立ったり座ったりがしやすいだけではないのだと思うのだけど。

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