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壊れちゃいない、残機はまだある。

ASD・ADHDを併発する自分が、新卒から障害者手帳を開示して働いておよそ1年8カ月。リモートワークの中で部署内でのすれ違いが続き、正直一向に組織に貢献しきれない状態が続いている。

それは1年半以上会社にいるのに、未だに分からないことが多い自分の吸収力・要領の悪さももちろんある。だが冷静に考えれば考えるほど「これって傍から見たら色々おかしくないか」「弊社は何のためにこれをやって、どこに向かって走っているんだ」と思うことも増えてきた。「会社ってそんなもんか」で片付けてはいけない問題だった。

背景にあるのは、経営陣・他の社員・自分、それぞれが向かう方向がてんでバラバラで、お互いのスキル・キャラクター・目標を共有し切れていないが故の小さな歯車のズレ。フラットな組織を目指しているはずなのに生じてしまったセクショナリズムだった。そこの微妙な人間関係に、本来人間嫌いであるはずの自分が巻き込まれていた。

(正直うちの職場の働きやすさや良い面も十分理解しているので、一概に組織全体やシステムを頭ごなしに否定する意図は全くない。)

  • 頑張ってできないことなんてない。真面目に続けていればいつか活躍できるようになる。

  • 容易く環境や他人のせいにしちゃいけない。雨が降っても自分のせい。

  • 社会不適合者の自分を拾ってくれた周囲に対して、掛けられた期待や受け取ったものを早く返せるようになるのが恩義ってヤツだろう。

  • 新卒採用は会社の将来への長期に渡る投資。

日頃からメタ視点で考えられているようで、思考停止国粋主義系ビジネス書みたいなマインドを中途半端に持つあまりに、気付いたら取り返しがつかない状態になっていることが良くある。

でもついに閾値を超え、そんな麻酔でなあなあにすることもできなくなった。このまま今の業務を続けていても自分も周囲も疲弊するだけで、誰も幸せになれないと悟ってしまった。

一方歳を取るにつれ、見過ごしてきた目の前の現実を直視せざるを得なくなる。刻一刻と過ぎ去って行く20代後半の中で、汎用的なスキル自体は大学を出た頃からそう増えていないし、第2新卒の求人も期待できない。これはもう僕の自己責任だ。

残された道は2つ。自分に合った才能を磨いたうえで部署を変えるか、思い切って転職するか。幸い自分の会社は、仕事が合わないと思ったら横の移動が比較的スムーズにできる。そんな中でWAISとGATBが示してくれた才能の一つに「データ分析スキル」があった。

以前就労移行に通っていた時、分からないながらも手探りでPythonを勉強したことがある。その頃は正直、これがどう役立つかも良く分からないまま言われた通りにやっていた。「こんなん勉強したところで上には上がいるし、小学生時代からパソコン触りまくって慶應のSFCに進学したような奴に今更勝てるわけないでしょ」と思っていた。それは今でもその通りだと思う。

だが僅かながらも社会人経験を積んだり、プライベートの中で「統計でなく印象で判断した結果、自分が割を食う」という出来事を重ねるにつれ、データリテラシーの重要性を痛感していた。今の会社には統計に専門性を持つ人間が少ないこともあり、事実それが諸問題を引き起こしていた。またこの角度でなら、現状よりもまだ組織に貢献できる一縷の望みがあった。そう考えると、今の部署で多様な人の働き方を覗き見た経験は決して無駄では無かったのかもしれない。

久々にPythonを触り、YouTube上の教材とロードマップを元に学習を進めていく。誰に強制されるわけでもなく自主的に行う勉強は、自分の部署でゴールの無いマラソンを強制されるのと違って、目途も立つしとても楽しい。就労移行の頃よりも、「このツールを使ってどうするか」を具体的にイメージしたうえで学習に取り組める。

それが期待した通りの形で実を結ぶかどうかは正直分からない。だが、今更引きこもる訳には行かない。心身と言う名の残機と、僅かながらの勝算はまだある。何度ぶっ倒れそうになっても、第3の道を探して歩き続けていく。


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