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尖っていてもリスペクトを

マヂカルラブリーの野田さんは高校時代、「学校へ行こう!」の「お笑いインターハイ」に出場して大爆笑を巻き起こしたことがきっかけで、クラスメイトを見下した態度を取り続けたら友達がいなくなったという。

「俺はお笑いのプロで、クラスメイトは素人集団」「忙しいと思われるために学校を早退」「電車移動時は常にマスクとサングラス」。
なぜなら俺は、松本人志の生まれ変わりだから。

そんな野田さんは中野twlで東京地下芸人の洗礼を受け、かつての面影をよそにアングラピン芸人として活動を始める。そこから村上さんと出会ってコンビを組み、長年の下積みやM-1最下位など、数々の苦難を乗り越えてM-1チャンピオンになった。

では今の野田さんは、相変わらず同業者の芸人を見下したりする傲慢な人なのだろうか?少なくともラジオやテレビで見せる野田さんの姿からは、とても謙虚で仲間想いな人という印象が伝わってくる。マヂカルラブリーを知れば知るほど、「野田クリスタルはただの奇を衒った人ではない」というのが分かるだろう。

だが、いくら審査員から「好みじゃない」と言われようが、自分の芸風への矜持は保ち続けた。全くスタイルを変えないまま、見る者の心を掴んでM-1優勝を掴み取った。そんな野田さんの姿勢から我々が学び取れるのは、「自分のスタイルは曲げずとも謙虚でなきゃ誰も付いて来ない」ってこと。

翻って最近の俺といえば、仕事のコツも徐々に掴んできて次のステップに行かなきゃいけなくて、世の中や自分のことがほんのちょっとずつだが分かるようになってきている。人生における方向性や自分の中での価値観が確立されると同時に、バチバチに尖り始めている。

「LITE君のその自己主張の強さは少しずつ小さなヘイトとして溜まっていくよ。自分にとっての価値観や正解が他人にとってもそうだと思わないで。もっとグラデーションを大事にして。」

身近な人から投げかけられたそんな一言は、最近の自分の慢心を的確に言い当てた物だった。慌てて、自分の意見を述べる時に主語を「私」にすることを心掛ける「Iメッセージ」たるものを意識し始めたり、日頃の自分の振る舞いを振り返った。

幼稚園、小学校、フリースクール、中高、ライブハウス界隈、バイト先、大学のサークル、数多くのコミュニティで自分の自己主張の激しさは、大抵仇となって返ってきた。

もういい加減、そんな意見の食い違いで無駄な対立は生みたくない。自分の考えと相反する考えがあったとしても、あくまでも目の前にいるのは一人の人間。その裏側には相手なりのバックボーンがある。

だから譲歩しようとか、自分を徹底的に殺そうってことじゃない。それはそれ、これはこれとして、目の前にいる人の立場を考えて接し方に気をつけましょう。自分も相手も尊重しましょうってこと。

アサーションやIメッセージを普段使いして、コミュニケーションでのすれ違いを徹底的に防ぐ。嫌味に思われるような言動をしていないか定期的に客観視して、逆に相手の良いと思った点は「私はあなたのこんなところが好きです」とあくまでもナチュラルに指摘する。

余裕が無くなれば、誰だって人に優しくできない。身近にいる人であればあるほど、どうしても粗雑に扱ってしまう。

だからこそ金銭的にも健康的にも穏やかでいれるように、仕事や勉強は頑張りながらも、常にもっとストレス無くできる方法はないか考えていく。

もちろんこれらは究極の理想論であって、こんなんできたら誰も苦労しないし戦争なんて起こらない。

だが他者に対して傲慢な態度を取り続けて、周囲に味方がいなくなりアングラで彷徨う人生を送るか、違う考えを持った相手にも最低限のリスペクトは忘れず、着実に味方を増やしながら何か大きなことを成し遂げるか。

抽象的な表現をすればするほど自己啓発みたいになっちゃいますが、それはこんな意識ができてるかできてないかの差では無いでしょうか。最大限の自戒の意味を込めつつ、この文章を締めます。

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