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「人ってあまりに恐怖を感じると姿が見えなくなってしまうものでしょ」★ムーミン公式サイト【番外編・英語】

~ムーミン公式サイトにある「見えない子ども」の朗読が良かったので紹介します~

【難易度】★★★☆☆(字幕あり)
【どんな人?】
・ソフィアさんという、「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンの実の姪が朗読してくれます。

【どんな動画?】
・アニメ版の1話にもなっている「見えない子ども」という話を朗読。
・嫌なおばさんに育てられ姿が見えなくなってしまった女の子が、自分の姿を取り戻す(ビジブルになる)話。
・作者トーベ・ヤンソンさんは作家としてムーミンシリーズ以外にも数多くの大人向け小説やエッセイを残しており、日本のアニメ版は小説をもとに作られています。
・小説は作者の考え方がダイレクトに表現されていて、アニメのような子供向け脚色や編集がなく、たまに無性に読みたくなります。Liita39は大人になって小説を読んでから「ムーミン」が好きになりました。

【Lita39のツボ】
・「人ってあまりに恐怖を感じると姿が見えなくなってしまうものでしょ」「いい?戦うってことをやっていかないと、いつまでも本当の顔を持てないんだからね」など、キラリと輝く言葉が時おり出てきます。ふと作者の魂に触れたような気になり、励まされるのが小説の良さ。ちなみに作者のトーベは「ムーミン」のなかでミーが自分に近いと言っていました。
・本稿のタイトルに使用した「人ってあまりに恐怖を感じると姿が見えなくなってしまうものでしょ」という言葉は今の外出規制に似ていますが、Lita39はそれとは無関係にこの言葉をタイトルに使いました。この言葉には「臆病者」「気が小さい」という言葉では表現できない、別のフレームがあります。既存のフレームを変え、しかし的を得た言葉を得ることによって人は時に癒されるのであり、トーベの小説にはそんな言葉がちりばめられています。
・見えなくなった子供を治すため、ムーミンママが「おばあちゃんの手帖」を開いて薬の処方を探すシーン。Lita39の記憶ではアニメ版では「あ、(処方が)あったわ」程度の軽いシーンだったのですが、小説では「手帖の最後の方で、おばあちゃんの(年をとって)震えた筆跡で(処方が)書かれていた」となっています。おばあちゃんも晩年に会得した処方っていうのがいいですよね。
・最後に子供が姿が見えるようになったとき、ムーミンママが「おばあちゃんの薬のおかげね」とほほ笑むシーン。あれ?とアニメ版では考えなかった気づきがありました。それは「おばあちゃんの薬」って、たぶんリンゴが効くとか、薬自体とか、そういうことじゃなかったんだろうなってこと…。
・作者トーベは繊細な人で、若いころ体験した第二次世界大戦の恐怖や不安に押しつぶされそうになりました。そこから救いのようなものを求めて書いた小説『小さなトロールと大きな洪水』(1945)がムーミンシリーズの原型となっています。現代でも全く古く感じません。
・癒されるので寝る前に聞くのが最適です!

以上「【番外編・英語】『人ってあまりに恐怖を感じると姿が見えなくなってしまうものでしょ』★ムーミン公式サイト」でした。
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