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再販物件の仕組み

閲覧ありがとうございます。

私について
長らく不動産の仕事をしていますが、経済学者でもないし、
スペシャルな経歴を持っているわけではない、よくいる不動産屋さんです。
以下略


今回のお話はこちら

再販とは
ここでいう再販とは、【買取再販事業】のことを指します。
いわゆる転売ではなくて、室内設備を一新させてすぐに住める状態にした物件(リノベ物件)として市場で販売をします。

中古住宅買取再販市場は2030年に22%増の5万戸へ

ざっくり2010年頃はまだフルリフォーム物件とか言われていたもの。
決して難しい仕組みではないけど、簡単な事業ではありません。
そんな買取再販事業をざっくり解説。

①再販物件を検討する人のメリット・デメリット

_メリット_

  • すぐに住めるよ

  • 自分で修繕する必要がないよ

  • ローンが通りやすいよ

_デメリット_

  • 自分なりの空間を作りたい人には不向きです


マンションを扱っていると必ずと言っていいほど耳にする論争

  • 新築or中古
    正直どっちでもいいよねと思ってる。
    住みたい街に住みたい物件があって、資金計画が合うならそれが良い。

結局、何が原因でこういう論争になるかというと、自分にマッチした資金計画がないからでしょうと思います。
※改めて解説


②再販事業の全貌(ライトに)

  1. 事業規模に沿った資金計画を立てる

  2. 商品を仕入れる

  3. 内装工事をする

  4. 資金計画とスケジュールに則って販売する

  5. 1年以内(事業的に半年以内を目指して)に売り切る.       以上

_資金計画とは_
概ね再販事業の1件当たりの利幅は10%程度
5000万円で売れる物件であれば500万が利益ってこと(粗利)

ちょっとだけ中身を解説

  • リフォーム費用(平米13万くらい)

  • 仕入れる際の諸費用(仕入価格の7%くらい)

  • 売却する際の諸費用(販売価格の5%くらい)

  • 租税
    大まかこんな感じ。
    現金で買うのか、不動産担保ローンを使うのかでだいぶ違う。

※これでは仕入れできない…!!

例)
5500万円で売りたい物件
60㎡・新耐震・都内マンション・フルリノべ

・3800万円で仕入れる
・内装費:780万円
・諸費用:660万円(売り買い)
=260万円(粗利)


③再販業者が頑張っているポイントとは

  1. 仕入れ値を下げられないか

  2. 内装費を抑えられないか

  3. 諸費用圧縮できないか

  4. リスクヘッジをリアルにできないか

全部それなりに難しいです。

  1. 仲介業者に頑張ってもらう、売主にも頑張ってもらう必要がある値引くことにメリットがない限り売主はNOでしょう

  2. 昨今高騰している設備類は抑えれば抑えるほど、販売時のリスクがある
    今やアフターサービスがない物件は売れない

  3. キャッシュを用意すれば、金融機関の費用等を抑えられますが、全部キャッシュにするには事業者としてスーパー体力がないと無理

  4. いくらで売れるのか想定できても、必ず狙った金額で売れるわけではないバッファという意味で10%の利益を見込んでおかなければ破滅


④再販事業のまわりで起こること

1.仕入れ元の売主さんは安く買い叩かれないような最低限の相場感が必要
・仲介業者に任せきり
・計画性のない売却活動

買取再販事業者は、自社の資金計画にマッチした商品を仕入れるために
仲介業者に依存していることがほとんどです。(すベてとは言いません)

そういった意味で、〈仲介業者を盲信するような状態〉を回避してください。

2.購入検討している物件の全貌が見えない(見てない)
・どこまで内装しているの?
・マンション自体はどういう管理状態なの?

確認すればわかるようなことを度外視して購入の決断をする人が多いです。

https://www.renovation.or.jp/kijun/room/ リノベーション協議会

〔R1〕など、内装施工にまつわる事だけでも多岐に情報があります。
キレイが良いも大事ですが、工事の根拠となるものや、機能性なども検討に含んで欲しいです。

また、マンションのことは管理会社が発行した【重要調査報告書】を必ず閲覧してください。
※よくある間違いで、重要事項説明書ではありません。

3.現況の状態で買いたかった….
 ご自身で内装工事をしたい方(ワンストップ検討の方)は、
こういう気持ちを通ったことがあると思います。

これは、事業者が一歩上手だと思って、次の物件を検討しましょう。
情報を早く・適切に・多く仕入れるために事業者は毎日情報に向き合っています。
事業者と同じ動きをして不動産を購入することは難しいので、正規の金額で良い物件を購入できるようにマインドセットしてください。
世の中にお買い得な物件はないと思ってください。

⑤まとめ

上記はわずかな一例にすぎません。
今物件を売っている人も
これから物件を買いたい人も
再販事業を頑張っている営業マンも

基本はゼロサムです。

三方よしの事業とは
相場で売れて、良い商品を買えて、利益が残るもの
結構難しいですが、こういう取り組みを目指している再販業者もいます。

付加価値を最大にするためにできることを頑張っている企業がありますので
業界を一方から見るのではなく、いろいろな視点で捉えてみて欲しいです。

【分かりやすい不動産】を軸に、今後も投稿していくつもりなので
分かりづらい!と思ったらコメントください。
励みになりますので、分かりやすくしてみるかもしれません。

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