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「がんと診断されたら自分でできること」を読みました

 また新たながんの本を読んでみました!今回は主婦の友社から出版された「がんと診断されたら自分でできること」という本です。通常、病気の治療は医師しかできないと思いがちですが、患者ができることがある!という視点は新しいな!と感じました。

 内容は、「手術や治療を行うことで、一時的に体力は落ちる。手術の前の『術前リハビリテーション』(=プレハビ)を行うことで、術後や退院後の回復が早くなりますよ」というもの。リハビリといっても特別なものではなく、自宅でのスクワットやウォーキングなどをすることで、「貯筋(=筋肉をつけておく)」をしておいた方がいい、とのことでした。ふむふむ、なるほどなるほど。

 私も甲状腺全摘手術後、体力が落ちた実感がありました!術後数日で病室の移動があったのですが、看護師さんのサポートあり・まとめきれない荷物を載せるカートあり・エレベーターあり、の恵まれた状態での部屋の移動だったにも関わらず、移動後どっと疲れてぐったりしてしまいました。え〜、たったこれだけの移動でこんなに疲れる?!と、自分でもびっくりでした。

 また、病院食は食欲が出ないもの。それに加えて、甲状腺全摘手術による飲み込みにくさが、より食欲を減らしていたように思います。入院中、飲み込みが辛くて食事そのものに前向きになれない期間があり、体重も減りました。(退院後あっという間に戻りましたが…)私は数キロ減っても大した影響はありませんでしたが、もともとスリムな方だったら、もっと体力が落ちて大変なのかもしれないなあ…と感じました。確かに、事前に準備できるなら、それに越したことはないかも。

 内容は納得できることばかりで、とっても役立ついい本だったのですが、1つだけ引っかかることが…

「がんの告知を受けて、すぐに『治療前にリハビリ!』と気持ちを切り替えられる人って、どのくらいいるんだろう…?」

 本編の中でも、「プレハビの3要素は①メンタル②運動③栄養。中でも最も重要なのはメンタル。まず「がん治療にしっかり挑む!」というポジティブな思考を持たないと、運動も効率よく行えない」との記載がありました。確かに、自分の気持ちが整理され、積極的に治療するぞ!という気持ちにならないと、運動しようという気も起きないですよね…でも、まず、ここをクリアするのが難しいのでは?と思いました。

 アメリカでは、プレハビのメンタルサポートとして臨床心理士がサポートするのが普通だそうです。手厚いフォローでうらやましい!!この本の著者の角田亘さんはリハビリの先生ですが、現在勤務されている国際医療福祉大学成田病院では、がんの手術や抗がん剤治療が決まった患者さんをリハビリテーション科に紹介してもらい、そこでプレハビのプログラム作成とメンタルサポートをされているそうです。これは心強い!

 私個人の場合は、がん告知後は結果がはっきりして落ち着いたのですが、(告知前の「がんかも?いや、大丈夫かも…」の期間の方が不安が大きかった)「がんです。治療します。つきましてはその前に一日でも早くリハビリ始めましょう!」のスピードに、気持ちがついていかない人も多いのではないかな〜と思いました。前向きにプレハビに取り組んでいくためにも、やっぱりがん患者さんへのメンタルサポートって必要だな、と思いました!!角田さんの病院と同じように、どの病院でも告知直後からメンタルサポートがあったらいいな~と思います。病院内でなくてもいいので、患者さんが不安を相談できる場所、前向きに治療に向かうきっかけづくりができる場所が1つでも増えたらいいな〜と感じました。

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