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自分のなかに神はいる
病気になったら、人は離れていく。
お金も、社会的な肩書きも、そうかもしれない。
自分が「良い」時には、人はちやほやしてくれる。
みんながもてはやしているからなんとなく安心だし、
皆が評価する誰かとは、付き合っておいて損はない。
「悪く」なったら、どうか?
人は、離れていく。
その人と付き合って自分が得られるメリットどころか、
デメリットが瞬時にして、計算される。
人は、基本的には、自分が得られるメリットに基づいて行動していると思う。
"根拠のない自信"を持っている人というのは、
なんらかの事情によって、
世の人々の自分に対する評価が、地に落ちた、あるいは極めて厳しいものになった経験をもつ人ではないかと思う。
そして、そこから這い上がった人。
「這い上がる」というのは、社会的な評価もそうだと思うけれど、
そういうものがあまりないかにみえる状態においても、
本人が精神的な強さを獲得した状態。
こういう人は、強い。
すべてを失ったことがあるから。
そこを生き残ってきているから。
人なんか、事情が変われば簡単に離れていくし、悪口も言うし、
状況によっては、それまでの恨みを晴らすかのように、
手の平を返す。
そのことを知っている。
人は、状況によって、自分のことを褒めもすれば、貶しもする。
そんなものだ、ということを知っている。
だから、人に期待をおいても、人に基準をおいても仕方がないことを、知っている。
どんなに頼りなくても、
自分を信頼するよりほかない、
それを知っている。
それが、いわゆる"根拠のない自信"というのだと思う。
"根拠のない自信"は、
いってみたら、
神様を信じるということに近い、
いや、そのものかもしれない。
お手上げ。
手も足も出ない。
人はみんな離れて行った。
家族だけは、かろうじて、自分を守ってくれるかもしれない。
でも、家族のなかでも寂しい思いをすることになるかも…。
こういう状況は、生きていくなかで、後天的にもたらされることもあるだろうし、
人によっては、生まれ落ちた環境や、身体的に自分が背負ってきた条件のようなものによって、
もたらされることもあると思う。
人は、自信満々に振る舞う人に、魅力を感じる生き物だと思う。
しかしその人は、よく見てみたら、「条件」的なものはあまり持っていないかもしれない。
でも、その人には"自信"がある。
お金を持っているわけではない、なにか社会的な地位があるわけでもない、飛び抜けて美男や美女というわけでもない…。
でも、その人は、「なにか」を持っている。
自分のなかに、神様がいる。
神仏や、精霊といってもいいと思う(呼び名はとりあえずなんでもいい)
難しい言葉でいったら、
「内在を目指した超越」
とか、
「梵我一如」
とかいうことになるだろうか。
逆境を乗り越えた人。
厳しい条件を受けいれて、
丁寧に丁寧にそれと共に、
それと向き合って、生きてきた人。
人からバカにされても、
生きなくてはいけないから、
自分を信じるより他なかった、
ゆえに大切ななにかを得た人。
逆説的だけれど、
だから「不幸」な経験も恵みである、神の愛だというのだと思う。
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