カラスに認めてもらった
猫のトラは、私が療養のために実家へと帰らせてもらったその年の春に与えられました。
まだ生まれて数ヶ月、小さな身体。
その可愛さに思わず、餌付けしてしまいました。
身体の特徴からしておそらく、向かいの家の猫の子。
茶トラで、ビー玉みたいに綺麗な薄いエメラルドグリーンの瞳。
優しい性格で、人見知り(猫見知り?)をする。
うちでは昔、犬も飼っていましたが(芝犬)、犬みたいに一緒に近所を散歩もしました。
車の多い道路に出ると、怖がって山のなかに避難笑
連れて帰ろうとすると、抵抗して爪を立てる💦
しばらく押し問答をして、これは無理だなとあきらめ、仕方なく人間だけ帰る。
すると、翌日1人でニャーニャー鳴きながら戻ってくる可愛い子でした。
この子も、私がつらかった時期を支えてくれた、神様からのギフトでした。
動物や植物は優しいから、人間が弱っている時、自分のエネルギーを人間に分けてくれて、かわりに自分が弱っていってしまう、ということがあるとは、どこで知ったのだったか忘れてしまいましたが、
たしかにそのようなことがあるように思います。
うちの母は動物が苦手なので、トラを家の中で飼うことはできず、母屋の周りにある納屋を寝床としていました。
うちは元々農家だったので、納屋やら牛小屋やら畑やらが周りにあります。
トラの父親にあたると思われる猫は、ニコといいましたが、向かいの家の猫でした。
トラとすっかり同じ柄で、違うのは性格と、長いしっぽ。
うちの子のしっぽは短く、骨は先の方で少し曲がっていました。
ニコの飼い主である向かいの家のおばあちゃんは苦労人で、お互いに2人の子どもを連れて再婚、さらに2人の子どもをもうけたという人でした。
神様の世界と繋がりの深い人だったのでしょうか、蛇を首に巻いたりすることを普通にしていたといいます(うちの祖母は、そんなことのできる彼女を怖がっていました笑)
そういえばうちの実家の後ろには、蛇を祀る祠があります。
アオダイショウがしょっちゅう納屋の前や畑に出ていました。
皆、とくに怖がることもなく(首に巻いたりなどということはできませんでしたが)、
いつも蛇は、父が対処してくれていました。
マムシは焼酎に漬けて、薬にしていました。
アブに刺された時など、毒性の強いもののさらに上を行く毒で、それを帳消しにしてくれるような強さをもつもののようでした。
この世に国家というものが立ち上がる前には、
この世界の真実の主権者は、自然の領域に見出されていたといいます。
狩猟をする人や、捕鯨などをする海民は、その感性を動物や鯨と同じレベルの鋭さにまで研ぎ澄ますことなしには、獲物に近づくことさえできない。
感受性の豊かな人は、植物の放つエネルギーをも感じとることができるといいます。
私はこの前、ランニングした後道を歩いていたら、カラスに攻撃されましたが笑(黒い帽子をかぶっていたからか、しかも2回)、
怖っと思ったのと同時に、カラスにも認めてもらえたかなと思って、少し嬉しいような気持ちにもなりました(おかしいですかね?)
人間の世界の限界に疲れたら、人間も自然の一部に過ぎないということを思い出したらいいかなと思いました。
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