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50円が気になる

そういえば、銭湯で受け取ったお釣り50円はいったいどこにいったんだろう。なかなか眠りにつけない布団の中で記憶の糸をたぐる。

小銭はいつも、銭湯に持参するリュックの小さい方のポケット内に申し訳程度に付けらたチャックを開けた中に放り込む。着替えやタオル、水筒、本を詰め込んだ、銭湯に行くだけにしては妙に膨らんだリュックだ。

気になってリュックのチャックを開けてみるが、50円玉は顔を見せない。それならズボンのポッケに入れっぱなしかなと、ズボンをわざわざ洗濯カゴから取り出してポケットをまさくるけど、手には何も当たらない。

50円にたいするもやもやした気分が、翌日にも時たま頭をかすめる。「たかが50円、されど50円。」というように50円を大事に思っているわけではないけど、50円というお金を管理できないことと、50円をスッキリ忘れられないことへの二重の情けなさが少し堪える。

あほだなあ、ばかだなあ、人間だなあ。


400字エッセイ書いています。

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