タケ

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書くこと、読むことが好きです。 400字エッセイばかり書いています。 現在は静岡県川根本町に住んでいます。 1995年生まれ 三重県鈴鹿市生まれ→神戸→バンクーバー→横浜→川根本町

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    2000字ドラマです。

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微笑みの表現

仕事でインドのチェンナイに来ている。 日本から持参した本をすべて読んでしまったので、チェンナイ市内の本屋で村上春樹さんの「女のいない男たち」英語翻訳版を購入した。原書(日本語)は未読だったが、映画「ドライブ・マイ・カー」を視聴済みだったので、英語でもすんなりストーリーに入り込むことができた。 英語に訳されることで、いわゆる村上春樹らしさはどうなるのだろうと勝手に心配していたけど、杞憂に終わった。何かとセリフを繰り返す場面が多かったり、リアリティとアンリアリティが融合して軽

    • 食べるのが遅い人と早い人の間で発生する軋轢を最小限に抑えたい

      冗談はさておき、、、 2人以上で食事する場合、食べ終わるタイミングが異なることがある。食べ終わるタイミングが異なることによって発生する微妙な間合いから、軋轢に発展しないようにする方法を考えたい。「軋轢」と仰々しい言葉を使っているが、決して大袈裟ではなく、人間関係を良好に保つためには重要なテーマだと思う。 前提この世の中(少なくとも僕が生まれ育った環境)では、食べ終わった人を待たせることに対して、食べるのが遅い人が必要以上に申し訳なく感じることが多い。 食べ終わった人に対

      • 旅のおとも

        日本を離れ、インドで2ヶ月暮らすことになりました。 いつも本をお勧めしてくれる方々に感謝。

        • このままでいいのかな

          一瞬一瞬をダンスするように生きていきたい。過去に囚われず、未来を恐れず、今この瞬間に焦点を当てたい。それでも「このままでいいのかな」という考えが頭をよぎる。家族や仕事、住居や人間関係、本当に今のままでいいのかな。他者との比較によって頭に浮かんでしまう考えなんだろうけど、人として生きている以上、他人と自分を比べないということほど難しいこともない。 これは避けられないのだろうか。いくつになってもこの考えに遭遇するのだろうか。こういった考えが浮かんで不安になるのを避けるために、内

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          読書レベルの変遷を振り返る

          最近、自分の読書レベルが向上したことを感じている。 良い機会なので、自分の読書レベルの変遷を振り返りたい。 読書レベル1: 小学生~中学生 学校の「朝読」時間で小説を読み始めた。朝読時間は学年によって10~15分くらい。両親の本棚には重松清さんの本がたくさんあったので、自然と重松清さんの本ばかり読んでいた。「流星ワゴン」「疾走」「希望ヶ丘の人びと」などが強く印象に残っている。中学1年生のとき、思い切って村上春樹さんの赤と緑の本を読んだところ、溢れんばかりのエロティズムに頭

          読書レベルの変遷を振り返る

          小さなひとたちに寄り添いたい

          本記事では、ロシア文学「緑の天幕」(著者:ウリツカヤ)を紹介します。 本書を読んでいると、「平和」ってなんだろう、「生きる意味」ってなんだろうと問いかけられている気がします。多くの人に本書に触れてもらいたいと思いました。​ ​【本書の紹介】​ ■本書の概要 ■本書を読む意義 ​■ウリツカヤ(著者)さんの言葉​ ​■登場人物らしさがにじみ出ている箇所​ ​■その他​ 本書の概要〇自分なりのまとめ​​ スターリンの死(1953年)からソ連崩壊(1991年)、そして詩人ブロ

          小さなひとたちに寄り添いたい

          カフェで二つの感情に出逢った

          どんよりした曇り空の天気に無理に対抗するでもなく、聴いている人の気分を下げたりするでもない、気ままに耳を通り抜け、無意識のうちに体の一部でリズムを取っている、そんな音楽がカフェの室内を満たしていた。 サラダランチでお腹を満たし、温かいカフェオレで一息つきながら「緑の天幕」の続きを読んだ。一般市民の登場人物たちが、ソ連時代という一種の「制限」に抗いながらも、懸命に学生時代を過ごし、人を愛し、結婚し、死んでいった。 ページをめくるたびに、文学という芸術に「制限」なくアクセスで

          カフェで二つの感情に出逢った

          カフェで文学の力を噛み締めた

          香ばしい匂いが生暖かい風に乗ってカフェ内に入り込んでいた。観光客を迎える駅前の露店で何かを焼いてるようだった。カフェでは扉一面が開け放されていて、風の穏やかな温もりと大人しくなった蝉の鳴き声が、今年も夏が終わることを教えてくれていた。 すっかり冷めきったコーヒーを口に含み、「緑の天幕」の続きを読んだ。 シェンゲリ先生の言葉に、これからも文学に触れ続けようと志す勇気をもらった。 地元に住む方々と観光客が入り混じる店内を見渡しながら、ここには多くの人生が存在していることを実

          カフェで文学の力を噛み締めた

          「〜すると良い」への対応

          最近、多くの「〜すると良い」を詰め込みすぎていた。 知らない人とも積極的に会うと良い、1人の時間を大事にすると良い、毎日1つ新しいことに挑戦すると良い、いろいろな本を読むと良い、もやもやしたときは書くと良い、一心不乱に仕事に向き合うと良い、たかが仕事くらいの気持ちでいると良い。 多少の矛盾を無視しながら、あらゆる「〜すると良い」をインプットし続けていたら、メモリーエラーなのか処理エラーなのか知らないが、頭も身体もぼんやりして重苦しい気分でいることが多かった。まるで身体全体

          「〜すると良い」への対応

          納豆ご飯

          いつも、6時にセットした目覚まし時計が鳴る5分前に目を覚ましていた。 目覚まし時計をリセットしたら、文字通りベッドから飛びおり、顔を洗って口をゆすいで、大きく大げさな伸びをする。冷蔵庫から納豆1パックと生卵を取りだし、卵を白身と黄身に分ける。白身は保存容器に入れて冷蔵庫に戻してやる。納豆を時計回りに30回、反時計回りに20回混ぜたら、付属のタレと辛子をかける。6時にセットした炊飯器の前に立って深呼吸し、その時が近づいている事実に対して顔のニヤニヤが止まらなくなる。 少し待

          納豆ご飯

          アドバイスを与える側の責任

          友人が夕食抜きバージョンの16時間ファスティングを実施しているというので、親切心からか単に知識アピールがしたいからか(おそらく後者)、「夜に炭水化物を摂らないと睡眠の質が下がる」といったアドバイスを聞かれてもいないのにしてしまった。直後に今の発言撤回したいと思っても遅い。この単なる自己満足のアドバイスは、小さい範囲ではあるだろうが、友人の脳内に刻み込まれただろう。 大学で睡眠に関する講義を受講していた際、教授にもらったアドバイスが忘れられない。それは「夜遅い時間に強い光を浴

          アドバイスを与える側の責任

          五月晴れの日に太陽を感じる

          すれ違う人と「気持ちのいい五月晴れですね」と声を交わしたくなるような日が続いている(本来は梅雨時の晴れ間を指す言葉であることをnoteを書きながら知る)。 ポカポカした陽気に我慢できず、寝具一式を洗濯して外の物干し竿にかけた。かけられた布団は、ぬくぬくした太陽の日差しに包まれながら、サラサラとした強すぎず弱すぎない風を楽しんでいる。太陽の光を浴びると元気が出てくるのは人間だけじゃないようだ。両手を広げて少し大袈裟に伸びをした。 雨に濡れたり風でとんでいってしまうことを心配

          五月晴れの日に太陽を感じる

          小豆を煮るくらいがいい

          甘いものが大好きな友人への引っ越し祝いに、あんこを作ることにした。発酵あんこ作りにのめり込んでいた際に買った小豆がいっぱい残っているから全部煮てしまおう。砂糖も普段の調理であまり使わないので、この機会に消費してしまいたい。 合計600gほどの小豆を煮こみ、350gくらいの砂糖と2つまみの塩で味をつける。甘さ控えめのあんこができた。発酵あんこではないため、最初の渋切りさえちゃんとやれば失敗は少ない。 完成後のあんこを見て初めて作りすぎたことに気づいた。味見を繰り返して量を減

          小豆を煮るくらいがいい

          1gオーバー

          ゆうちょの口座を開設するために郵便局に向かった。ネットからの申請もできるけど、結局郵送が必要になって面倒なので直接郵便局に来た。 通帳の有無、本日中にお金の引き出しや振込をする必要があるか、もうすぐゆうちょのアプリがリリースされるなど、いくつもの変数を交えながら、郵便局員さんは丁寧に説明してくれた。 隣では男性が郵便物を送りたいようだ。配送物を計ると、予想していた料金規定の重さを1gオーバーしてたらしい。男性はとても悔しがっていた。誰に文句を言うでもなく、楽しそうに悔しが

          1gオーバー

          歩くこと

          歩くことが好きだと言っている割には、最近あまり歩いていなかった。川根本町に来て以来、徒歩で出社しているから、毎日の通勤で自分の歩きたい欲望がそれなりに抑えられているんだと思う。横浜で勤めていたときは、勤務後に近くの公園周りを毎日歩いていた。15分の目的のない散歩を楽しみにしていた自分がいた。 通勤で歩いているとはいえ、通勤には出社するという目的がある。目的のない、ゆっくりできる、ある意味どこかをさまよっているような散歩から、永らく遠ざかっていた。 GWを機に、無目的の散歩

          歩くこと

          旅先への移動と旅先での移動

          旅先への移動手段にこだわりがない。飛行機も電車もバスも自転車も、それぞれ個人的に好きな点、嫌いな点がある。 飛行機は、移動時間の短さと空の景色が好き。空港までの移動とフライト時刻に縛られるのは嫌い。 電車は、(移動時間にもよるが)ゆっくり本を読めること、駅弁を楽しめること、車窓の眺めをぼんやり見ながら黄昏る自分に酔うことが好き。新幹線を使うと一気に費用が跳ね上がることが嫌い。 バスは、費用が安いことが好き。移動時間の長さが嫌い(バスよ、好きなことが少なくてごめん!)。

          旅先への移動と旅先での移動