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Natural Dyeing 藍の生葉染め実践レポート

こんにちは。フリーランスファッションデザイナーのchisatoです。

※以下内容は2020年9月に別サイトにて投稿した記事の転載となります。


今回はNatural Dyeing 天然染めについて、そして蓼藍の生葉染め実践レポートと共に綴っていきたいと思います。

天然染めとは、化学的な合成染料を用いた染色に対して、天然染料を用いた染色方法で自然の植物や一部昆虫から色素を抽出し染める方法です。草木染めと呼ばれる事も多い、自然由来の染めの製法になります。

わたしが天然染めに深く興味を持ったのはかなり前、7~8年程前に遡ります。そのきっかけについては後日また記述しようと思いますが、天然染めを独学から始め現在はSEIWAさんが主催するスクールに通い草木染めの基礎を学んでいます。自宅キッチンでも研究の為色んなものを楽しく染めている日々です。

先日スクールの生徒さんに藍の生葉をお裾分けして頂き、全く初めての藍の生葉染めに挑戦してみました!スクールでも藍はまだ教わっていないので本やネットで染め方を調べ実践してみましたが、一つのレシピに従順に沿うというよりは2,3の情報源を基に組み合わせて染め方を決めました。早速ご紹介していきたいと思います。

【材料】
染原料→蓼藍生葉:250g
染めるもの→綿平織生地50g ・綿シルク平織ハギレ (どちらもソーピング&タンパク処理済み)
色止め→オキシドール20cc (水6Lに溶かし溶液にする)

【手法&工程】
前処理→染める生地は事前にソーピング&綿の場合はタンパク処理をしておく。
染め液作り→葉をブレンダーでスムージー状にした後、布巾でこして青汁状になったら完成。
染め方→生地を染め液に3分浸し染め+ 3分天日干し×5回繰り返す。その後水洗い4回
後処理→色止め作業としてオキシドールを入れた溶液に浸す。

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3株の蓼藍から葉だけをむしり取り250g程度の生葉が取れたので、染める生地は50gに決定(下記URL記事に”染めるものの重量に対する生葉の量が5~15倍”との事でしたので参考にさせて頂きました!ありがとうございます。)

https://www.mukogawa-u.ac.jp/~ushida/namahasm.html

生地の重量に対する生葉の量の決め方がどこを見ても載っていないので悩みましたが、今回は上記ブログを参考に。今度スクールの先生にも聞いてみたいと思います!多くの方の記事には綿は染まらないとの事でしたが、タンパク処理をすれば染まると書かれているものもあったので、ソーピング&たんぱく処理済みの綿100素材を染める事に。動物性のシルクは天然染料との相性も良く染まり易いとの事なので、シルクが30%入っている綿シルクのローンのハギレを一緒に染めてみることにしました。

生地の染める準備ができたら、次は染める為の藍染液作り。蓼藍の葉に適量の水を加えハンドブレンダーにかけてスムージーの様な状態にします。ブレンダー便利♪

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スムージーになったら、布巾などで余分なカスをこし藍の液体だけを抽出します。この時液体にカスが残っていると布を浸し染めする時にカスが布に付着し、そこだけ濃く染まったりムラが発生するそうなのでご注意を。液体だけをぎゅーっと搾り取ると、、

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青汁の出来上がり♪これが染め液となります。いよいよ生地を染める工程に。

蓼藍の染めは浸し染めになるのですが、染めの時間を調べるとネット上だと20~30分の一回染めというのを多く目にしました。草木染め大全ではシルクや毛糸を浸し染めしていて30分一回、メジャーなのはこちらなのかしら?と思いつつも私が惹かれたのは下URLのブログにある、5回染めというもの。1回染めては天日干し、を5回繰り返すやり方。でも何分染めて何分干すとの記載がなかったので、藍の染め液のリミットを考慮し全体で30分に収まる様、3分染め3分干し(大体ですが)を5回繰り返す事にしました。

http://www2.odn.ne.jp/kyuuryuuann/ainonamabazome1.htm

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液体に生地投入〜!最初は色が入っていかない、、と不安になりましたが

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3分もするとこの感じ。すでに綺麗な色出現!?ちょっとムラがありますが。

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さぁお日様に当てて藍を強くしてもらいましょう!天日干し1回目。藍染日和のいい天気、外はめちゃくちゃ暑かった。

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30分のタイムリミットの中で浸す!干す!をバタバタと繰り返し、5回目の作業を終え、水洗い4回を済ませた状態。最終的にはこんな色に。(染め後の水洗い4回はスクールで行っているやり方です。)ムラも軽減し染め回数を重ねる事で色も濃くなりましたね!

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ちょっとくすんでるみたいだけど、いい色なんじゃない??てな感じになりました。そして後処理として色止め作業、水にオキシドールを入れ溶液を作ります。この時の分量は草木染め大全を見習い、水3Lに対しオキシドール10cc。3Lでは布がきれいに浸りそうになかったので、倍の水量6Lに対しオキシドール20ccでやってみました。上画像は綿シルクのハギレ、下画像は綿100の生地。

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綿シルクハギレ後処理中

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綿100生地後処理中


そして最後に思い切り太陽の光を浴びて藍を強くしてもらいましょう!風になびく姿がまた良し。

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ホントにいいお天気で太陽に向かって藍よ強くなれー!と念を送って見守りましたww

完成はこちら。少しくすんでいるのかもしれないけど、自分的にはとても好きな色に仕上がったと思います!小さい方が綿シルク、大きい方が綿の生地。綿でも結構いい色♪あとは色止めの効果で一回の洗濯とかで色落ちがしなければいいけど。それにしても綿シルク、シルクが30%入るだけでこんなにも綺麗な色に染まるなんて。。感動。(藍の生葉染色液はフレッシュさが命、30分以上経ってしまうと黒く濁ってしまい仕上がりにも影響が出るそうです。参考ブログ→http://kousouann.com/index_qhm.php?藍の生葉染め)

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以前教室でシルク100%のオーガンジーをカリヤスで染めたのですが、結構強めのマスタードに染まり色が強すぎて個人的にはあまり好きじゃなかった。。綿シルクだと染まり方が鈍くなってちょうど良いニュアンスカラーにできるのかな?今回蓼藍の生葉染めを綿シルクを使って得た仮説です。次に何か染める時にはシル100、綿シルク、綿100と段階違いがあると面白いかもしれませんね!

そして、葉を取ったあとの裸の蓼藍の株を1株だけ鉢に植えてみました。お恥ずかしい位とても雑に植えたんだけど、2週間程するとこんなに!もうこんなに再生してる(驚)!!ここからまた沢山の葉がなる様に大事に育てていきたいと思います。

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以上、今回は蓼藍の生葉染めの染め方をご紹介していきました。最後まで読んでいただきありがとうございます。天然染めについても定期的に記事を更新していくつもりなので、ご興味ある方はまた遊びにきてください♪それでは、また!


-Special Thanks-
生葉染めの情報源としてURL貼らせて頂いた牛田研究室様、工房香草庵様、久隆庵様ありがとうございました!

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