死者の論証

「この世で最も敬われなければならないのは誰か?」


この問いはしかし、自分で既に答えを与えているのだ。「この世で」、「生きとし生けるもの全て」、「存在者の中で」。これらの表現は全て、ある限定を加えている。究極は、「全て"の中で"」と言ったところでこの限定を逃れることはできない。あらゆる規定は否定である。すると、もうお分かりだろう。

疑問文を一字一句逃さぬように注意しよう。「この世で-最も-敬われ-なければ-ならない-のは-誰か-?」その者は、最も敬われなければ、ならないのである。最後に、この文は疑問符で閉じられている。否、疑問符は閉じる者ではなく、開く者である。


Quod Esset Demonstrandum.「それが示されなければならないことであったのだが。」

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