ファスト&スロー | 第7章 結論に飛びつくマシン-自分が見たものがすべて

ファスト&スローを読んで、1章ずつ、内容を簡単にまとめます。



曖昧さの無視と疑念の排除

明示的な文脈がない場合、システム1は勝手にいちばんありそうな対応を生成する。他の解釈が可能であることにさえ、気付いていない。

└不確実性が高いとき、システム1は「もっともらしい答え」に賭ける。そしてその賭けは、経験に基づいて行われる。(最近の出来事、現在の文脈が重要視される)

└システム1には、「意識して疑うこと」はできない。疑うためには、相容れない解釈を同時に思い浮かべておく必要があり、それには知的努力が必要であるため、システム2が担っている。


確証バイアス

自分の信念を肯定する証拠を意識的に探す傾向。(確証方略)

└システム1は自動的に「信じよう」とする。状況を最もうまく説明できる解釈を組み立てようとし、その正確性は気にしない。また、システム1の信じたがりのバイアスは、ありそうもない異常な出来事が起きる可能性を示唆されたり誇張的に示されたりすると、無批判に受け入れやすい。

└システム2によって、「信じない」という行為が行われる。しかし、システム2はときに忙しく、だいたいは怠け者なので、システム2が機能しないときは、ほとんど何でも信じてしまう。また、システム2は確証方略で仮説を検証する。


ハロー効果(後光効果)

ある人のすべてを、自分の目で確かめてていないことまで含めて好ましく思う(あるいは全部嫌いになる)傾向。

└ハロー効果によって、最近の印象の重みが増し、その文脈で解釈される。そのため、あとのほうの情報や印象に残らない情報は、ほとんど無視されてしまうことも。(=ハロー効果によって、両義性が覆い隠されている)

└その印象に基づいた判断は、一貫性があって「よい」と思われやすい。(認知容易性が生まれているから)システム2は怠け者なので、その判断を受け入れてしまう。

<対策>「エラーの相性を非除せよ」
統計で見れば、誤差収斂(誤差の平均はゼロになる)が起こるため、正確性が上がる。


自分が見たものが全て (WYSIATI/ウイジィアティ)

システム1にとって、「自分がうまくやったか」の尺度は、ストーリーの首尾一貫性である。材料に使ったデータの質や量は気にしない。それゆえ、限られた手元情報に基づいて結論に飛びついてしまう。

└システム1は、第一印象を重視し、ストーリーに一貫性があれば満足し、すごいスピードでインプットを続け時間がない。システム2が機能して情報を集める間も、システム1は動き続け、慎重な意思決定に影響を与えようとする。

  • 自信過剰一手持ちの情報の量や質は主観的な自信と無関係。その自信の裏付けは、筋の通った説明があるかどうかのみ。

  • フレーミング効果ー同じ情報も、提示の仕方(フレーミング)が違うだけで受ける印象は異なる。

  • 基準値の無視一統計的事実には見向きもせず、印象で判断してしまう。



▼flier要約

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