ファスト&スロー | 第8章 判断はこう下される
ファスト&スローを読んで、1章ずつ、内容を簡単にまとめます。
本章で書かれていること(システム1が判断に影響を及ぼす特徴)
システム2→注意を喚起し、記憶を探索し、答えを見つけようとする.
システム1→とりたてて目的もなく、自分の頭の中と外で起きていることを常時モニターし、状況のさまざまな面を評価している。
⇒本章では、システム1が判断に影響を及ぼす特徴について
掘り下げられている。
日常モニタリング
システム1は全く無意識に、
外/内界を常時モニターし、類似性や代表性の検出、
因果関係の特定、連想や類例の確認などを行う。
何か必要が生じた場合には、その評価結果が活用される。
その中で、「難しい質問の置き換え」が行われ、直感的に判断される
=これがヒューリスティックとバイアスの基本
これは、進化の過程で身を守るために身に付けられたもので、
オフにすることはできない。
例)
人は見知らぬ人の顔を一目見ただけで、
その人がどの程度「支配力」を持っているかと、
どの程度「信頼」できるかを評価することができる。
⇒これは、投票行動にも影響を与えている(判断ヒューリスティック)
→人は、候補者の顔写真で「能力が高い」と評価する傾向があり、
「能力が高い」という評価は、支配力と信頼性の2つの観点から
判断されている(Alexander Todorou,2008)
レベル合わせ
システム1が持っている基本的なものさしでは、
異なる次元の度合いをそろえることができる。
同一の文化的環境であれば、そのものさしに大きな差は生まれない。
例1)
「あなたはどのくらい幸福ですか、色で表してください」という質問に、
幸福と感じる人はピンクや黄色などの明るい色を、
不幸と感じる人は黒などの暗い色を選ぶ。
例2)
「ジュリーは4才のときにすらすら本が読めました。
では、彼女の大学卒業時のGPAを予想してください」という質問に、
同一の文化的環境にいる人は似たような数字を答えた。
(回答者は、尺度を転換し、レベル合わせをしたGPAを答えた)
※しかし、例2について、この回答の多くは「統計的に誤り」である。
システム1の直感によって自然に導かれた誤った答えを、
システム2も受け入れてしまっている。
メンタル・ショットガン
システム1は、常にたくさんの情報処理を同時に行っている。
そのうちの一部は、目を開けているときはいつでも、
見えているものを三次元で表現し、形状や空間的な位置や特徴を把握する。
意図的に何かを考えようとするときにも、
上記の情報処理が勝手に行われるため、必要以上のことをやってしまう。
(その様子を、ショットガン/散弾銃に例えている。)
システム1は、システム2が命じたことだけに
照準を合わせることができない。
一つの情報処理をこなそうとして、別の処理も行っているため、
無関係なことに惑わされと判断が遅れてしまう。
▼flier要約
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