ファスト&スロー | 第6章 基準、驚き、因果関係ーシステム1のすばらしさと限界
ファスト&スローを読んで、1章ずつ、内容を簡単にまとめます。
システム1の機能
「あなたの世界では何が正常か」のモデルを構築する
システム1は、あなた自身にとっての「世界を表すモデル」を自動更新する。 =周囲の状況、事象、行動、その結果を連想によって関連づける作業を通じて構築。様々な事象の構造が、連想観念パターンで代表されるようになる。
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現在のことをどう解釈するか、将来のことをどう予想するかは、このパターンによって決まる
「驚き」と「予想」
「驚き」自体が、自分の世界をどう理解し何を「予想」しているかを端的に表すものである。
予想には2種類あり….
予想①:能動的で意識的なこと=それが起こらない時、人は驚く
予想②:受動的に予想していること=待ちかまえてはいないが、状況によっては起こって当たり前の出来事のため、発生しても驚かない
✓偶発的な出来事が1度でも起こると、再発時の驚きは小さくなる。
(システム2はばかげたこと考えるが、システム1がその出来事を当たり前のこととして受け入れるため、直感的にそう感じられる。)
✓条件次第では、受動的な予想があっという間に能動的な予想に変わる
(二度あることは三度ある)
正常・異常の評価
私たちはたくさんの「基準」を持ち、これが「異常」を瞬時に察知する拠りどころとなる。
Aの意外な出来事の後、それに細づけられるBの出来事が起こった場合、その2つがシステム1しによって関連づけられ、意外ではなく受け取められる(基準理論)
→2つの出来事が、1つのパターンに整理される。
不調和は驚くべきスピードで認知される(=システム1の機能)
自分の世界に対する大量の知識が瞬時に動員されるため。
因果関係と意志
因果関係は、自動的にシステム1によって行われる
└それが正しいかどうかに関わらず、システム1は手持ちの断片的な知識を結びつけて、うまいつじつまのあう因果関係をこしらえる。私たらは生まれた時から、因果関係の印象を受けてやすくできている。(システム1によるもの)
人間は物理的な因果関係と意志的な因果関係を区別するように生まれついている
→宗教信仰が普通的に存在することを説明できる。
(「物質世界」を「精神世界」と切り離して考えるから、宗教の考えが受け入れられる。)
因果関係を巡る直感の重要性
人は、統計的な推論をすべき状況で、因果関係を不適切に当てはめようとする傾向があるため、注意が必要。
(システム1は、統計が必要とする、「カテゴリーや集合の特性に基づいて個別のケースの結論を下す」推論を行う能力がないため。また、システム2では統計的思考を学習することはできるが、そのための専門的な教育を受けた人は少ない。)
▼flier要約
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