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ファクトリズム、日本のこうばの底チカラ。経営者と知る日本のビジネス

皆さん、こんにちは。株式会社Pamoja na Africa 三関理沙(みせきりさ)です。今日は2024年10月24 25日で訪れた大阪府・八尾市で実施されたファクトリズムについて書きたいと思います。


ファクトリズムFactorISMとは?

「FactorISM(ファクトリズム)」は、大阪府八尾市を中心とした、町工場でのものづくりの現場を体験・体感してもらうイベントです。

会期中は一般の方向けの工場見学やワークショップを開催し、職人が何を考え、何を感じてものづくりに励むのかを知り、そこに憧れをもつ。

合言葉「こうばはまちのエンターテインメント」には、
そんな想いが込められています。

ファクトリズムウェブサイトより

なぜファクトリズムに参加したの?

ファクトリズムに参加しているタカヨシジャパンさんの社長さんのお誘いです。本当に企画して頂き、感謝です。

2024年4月に参加したマザーハウス山崎さんがやっている山ゼミの経営者の中に、タカヨシジャパンさんの社長さんがいて、今回私たちのメンバーのためにイベント中に、私たちゼミ生用のプログラムを提供して頂きました。

感想

今回は他の経営者の方もいるツアーとして参加することができたので、他の方の質問やコメントを通して、ものづくり・工場のビジネスの特徴や課題、難しさ、斬新さを知ることができました。それを自分のビジネスと当てはめて考えることでいろんな視野が広がりました。めっちゃよかった。

原材料を加工する工場の仕事の特徴

今回訪問させてもらった会社は、
・鉄や銅を加工して、何か製造する機械のパーツの一部になっている。
・ゴムやシリコンを加工して、商品の一部を作っている。
・業者が使う洗剤を特注で作っている。
基本的にBtoBなんです。顧客は会社。個人のお客さんではく、取引の規模の大きい。量を作らないといけないものが多いです。(例外ももちろんあります。)

https://www.seohacks.net/blog/12641/ 参照

ビジネス初心者としては当たり前のことですが、感じたことです。

アドバンテージ
・取引先が企業になるの、注文数が多く(量も回数も)、売上がとにかくでかい。契約にもよるけど、継続的に購入してくれる契約も多い。
・売り先は、卸先が開拓するので、マーケティングや広報はBtoCより求められない。希望されたものを生産するのに集中できる。

リスク・難しさ
・初期投資がでかい。工場を建てたいといけない。安くて300万円、高くて2000万円とかの機械を導入しなければならない。メンテしなければならない
→借り入れできる信頼性や実績がないとお金が借りれない。
・大手の会社に買いたたかれることが多いため、値下げ交渉を頻繁にされる。
そのため、売上の30%を占めるような会社からの値引き交渉に対応せざるおえない。断れば一気に売上が30%減る。

訪問した八尾には戦後から長年日本の成長発展を支えてきたような高い技術力を持つ工場がたくさんいるが、国際化した世の中で、いかに値段を下げるかの競争に取らわされていて、質の悪い、労働環境を無視したビジネスが行われている

たとえば、ユニクロは安く洋服が買えるが、経営者として考えてみると海外から作ったものを日本に輸送し、店舗を持って、スタッフの給与も払って様々なコストがかかるのに、Tシャツが980円??こんな安いのが可能なのか?!そこにはTシャツを製造している工場へすべてシワ寄せがきているのだ。質が良く安いものが売れる資本主義の中で、どんどん安い賃金の場所に工場を移していく中で、人権を無視したビジネスが沢山世界に存在する。それは、ユニクロの洋服を作るバングラディッシュだったりする。

バングラディッシュで縫製工場が崩壊した何人もの方が無くなった事件は、みなさんご存じでしょう。

今回訪問した木村石鹸の木村社長さんも、理不尽な注文を受けた会社の売上は30%。そして、コストの値段が上昇していて、利益が数年連続で減っているという状況。そこで、この取引先である会社を断れるのか。現木村社長の元社長は断るという決断。それは結果的には、功を奏したそう。社員を抱える社長としては、理不尽な扱いを受けても、裏切られても、利益を出せないといけないという辛い状況に何度も面してきてのだろうと想像。

木村社長の本でも書いてあるので、ぜひ。

BtoBに依存していると、顧客が優位な状況が続いてしまうため、BtoCをやりたいと思っても、BtoBをやってきた企業がいきなり個人のお客さんに売る商品開発をして、販売チャネルを見つけるというのは、本当に難しいことです。簡単ではありません。
それをやってのけたのか、木村石鹸さんです。ぜひ本を読んでほしいです。

こちらの記事だけでも読むと面白いです。https://toyokeizai.net/articles/-/833433?fbclid=IwY2xjawGMLn9leHRuA2FlbQIxMAABHTNJ_rzr78oQ61cPWx96PkwY2MmbYgnUCHJ8fmNzVSmg1WDc7PYoYhTnzg_aem_ehgQB1NhlIWSWuOnrPnCfw

訪問先:木村石鹸工業

1日目に訪れたのは木村石鹸さんです。今年設立100周年を迎えた。とても伝統的な会社で、さらに木村祥一郎さんと言うユニークな方が代表を継がれている会社です。八尾の方は、工場で育って跡継ぎの方が多く、木村さんもその一人です。子どものころ、八代工場が嫌いということで、自分が社長になることの選択肢はなかったそう。しかし、いろんな事情で、社長が社長を継ぐことになり、そこからどんどんどんどん会社が変わっていくと言うお話をお聞きしました。
私たち経営者が1番驚いたのは、給料の申告制度。社員が、自分の給料を自分でこれぐらい会社に貢献できるから、これぐらいの給料を希望しますと言う自己申告です。それに対して会社は、社員に投資すると言う形なので、今後どんな活動が成果が出るかと言う見込みに対してお給料が支払われます。なんとすごい制度で、本当に会社(社長や経営人)が社員を信じているんだなってふうに思っています。またこれが新しい会社で実施していたなら、それを前提で社員も入ってくると思うけど、100周年の歴史がある会社。会社において、このいきなりお給料体制が変わるとすごく抵抗があると言うことなんですけど、導入して3年目にはもう全員がこの自己申告制度の給料を申告できるようになったそう!とても木村社長がとても優しいふんわりとした雰囲気の方でまたすごく社員思い、お父さんの継がれたものも大切してると感じました。社員さんもとてもいきいきしていました。今まで長くやってきた会社大きい会社を変えるって事はとても体制を変えるってこととても難しいしリスクであったり嫌われてしまう可能性が多い中で、木村社長が社員に愛されながらも、社員が自分で動く社員が一人一人数字や売り上げ経費を見ながら動くと言う。本当に理想的な会社を作っているに感じました。

木村石鹸のnoteもおすすめです。
https://note.com/yudemen/

訪問先:カネエム工業株式会社

カネエム工業は、1962年創業。60年以上にわたり日本国内をはじめ世界市場へ、よりファッション性の高い製品を提供してきました。私たちのデニムのボタンは、カネエムさんが作ってものの可能性が高い!日本のジーンズボタンは、カネエムさんとYKKで50%ずつのシェア!すごいですよね。

カネエムさんのウェブサイトより

こちらは基本的に商社に卸して、アパレルメーカーさんはその商社から、自分の会社の作りたい服に必要なボタンを仕入れるということでした!

工場を見学させて頂きましたが、小さい小さいボタンを機械で大量に生産しており、細かい技術がたくさんありました。ボタンに色を入れるために工夫している油とかの説明を頂き、とても関心しました。カエネム工業しか作れないボタンもあるそうです。

私たちの洋服に使われるボタンがこの工場で作られてると思うとすごい!ファクトリズムということで、ワークショップ時間もあり、みんなで磁石作りをしました。
また、私は羊毛バックのサンプル品を持っていって、実際にボタンを付けてもらいました!可愛い!羊毛は分厚いのに、柔らかい素材なので、ボタンをひとつ付けるにしても、細かい調整が必要で、勉強になりました。


訪問先:タカヨシジャパン

ロールシャフトの達人!金属等の加工をする機械がずらーーーと並んだ工場で、最新の機械がたくさん並んでました!古い工場という見た目ですが、中には最新の機械が最新の技術ですごい細かい作業しています。新しい機械の部品等も作ってました!

何よりもすごいなと思ったのは、何千万それ以上の機械を所有していて、簡単にまねできないようなビジネスモデルだなと思いました。BtoBだけだから、注文がなくなった時に営業するのは簡単ではないし、機械のローンを払い終わったら、どんどん新しい機械を買わないといけない。キャッシュフローがちゃんと回るように、長期計画していくビジネスって、新規で参入するのが本当に難しいのではと思いました。安いものはどんどん海外に行ってしまうけど、日本の技術と長年の技がこうゆう場所に残っていて、色んな方からの信頼を得ているのだなと思いました。一方で、資本主義社会なので、一気に顧客が離れるようなことがあれば、一気に破産するんだろうなという大きすぎるリスクも感じました。

現在社長のさゆりさんは、跡継ぎ。小さい頃から町工場を見てきて、ここで働きたくないと思って、他の企業で働いてきたが、戻ってきて、町工場が大好きになったということ。木村石鹸の木村さんと同じようなご経験ですね。

訪問先:錦城護謨株式会社

創業は、昭和11 年(1936 年)5 月 錦城護謨製造所発足!
ゴムやシリコンを加工したものを企業に卸販売している会社です。私たちの生活によくあるものなんです。水筒の飲み口はシリコンだと思いますが、そうゆうものから、工業用だったり、福祉のものも。


【工業品関係】
工業用ゴム・樹脂製品の製造・販売(事務機器・弱電・食品衛生・医療機器・自動車・重工業・ガス機器)
【土木関係】
自社ブランド土木資材・製品(キャッスルボード・キャッスルシール)の生産・販売
軟弱地盤改良、水路弾性目地工事(自社ブランド品使用)の設計・施工・管理
建設機械等の特定自主検査
【福祉関係】
視覚障がい者歩行誘導マットの製造・販売・施工
その他 福祉関連製品の販売

こちらの会社ではワークショップとして、割れないシリコンカップを染色を体験させて頂きました!

どこをどうやって染色するのか考えつつ。

ということで、大阪・八尾市でファクトリズムに参加しました。工場って何か田舎の小さいところでおじさんが作業しているイメージがあったのですが、最新技術が詰まって、自分たちの身近な商品を作っている場所でした。本当に面白かった!

企画してくれた小百合さんに感謝!
そして、超忙しいところで来てくれた山崎さんにも感謝。
さらに、来てくれた起業仲間に感謝。

木村社長と一緒に木村石鹸にて

< Pamoja na Africa >

email address: info@pamoja-na-africa.com

ウェブサイト:https://pamojaafrica.base.shop/

Instagram: https://www.instagram.com/pamoja_na_africa/

X: https://x.com/PamojaNaAfrica


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