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#07 独企業「BRITA」をマーケティングトレース(企業戦略分析)

前回「#06」でブランディングをトレースしたBRITAについて、今回は外部要因も含めたマーケティングトレースをしました。

BRITAってどんな会社?

日本でもお馴染みのBRITAは、ドイツに本社拠点を置き、グローバルに事業を展開する企業です。浄水フィルターを中心に業務用から家庭用まで様々な「浄水ソリューション」を提案しています。

今回は、私が現在住んでいるアメリカの市場について、トレースしたいと思います。

PEST分析:外部要因分析

水事情は国によって様々なので、BRITAのビジネスは各国の外部環境と大きく結びついていると感じました。

①アメリカでは飲用水として、ボトルウォーターを買うのが一般的(Politics,Society)

アメリカの水道水の基準は厳しいと言われているものの、週によって異なるため、軟水の地域もあれば硬水の地域もあり、ばらつきがあります。

そのため、スーパーなどで大容量のボトルウォーター(3.75Lで70¢ほど)を購入して飲用するのが一般的です。

②アメリカは世界的にも巨大なボトルウォーター市場(Economy)

上記の背景からか、アメリカのボトルウォーター消費量は中国に次いで世界第二位の年間約$14billion(2018)と言われており、市場として魅力的ですね。

③昨今、環境問題への関心が高まっている(Society)

上記のように、元来ボトルウォーターの購入が習慣化しているアメリカですが、昨今ペットボトルの廃棄が問題として取り上げられるようになり、ペットボトルから浄水器へ移行する人が増えているようです。

マーケティング・ミックス(4P)

・Product:取り付け簡単で不純物の99%を除去、フィルター交換は4ヶ月に1度でOK

・Price:蛇口設置型、ボトルフィルター型共に他社に比べてリーズナブル

・Place:スーパー、家電店、家具店などリテールに広く流通

・Promotion:定期購入を促すため、会員になると安く購入できる(フィルター交換時期のリマインドもする)しくみをつくり、ブランドサイトでも全面に押し出している

成功要因を整理

①アメリカでは水道水が硬水のエリアも多いことから、元来ボトルウォーターを購入する習慣がある。しかし近年、環境への配慮から浄水器設置へ移行する流れがある(社会的背景)

②上記のような背景において、BRITAはリテールの流通網が広く、取り付けも簡単でリーズナブルなことから、広がっているのではないか(簡便性×流通×コスト)

自分がその企業のCMOだったら?(日本で拡販するならば?)

・ウォーターサーバー設置時、ペットボトル都度購入時とのコスト比較を可視化
日本でもすでに広く販売されているBRITAですが、ウォーターサーバーのメンテナンスの手間やランニングコスト、ペットボトルを毎日買っている場合の手間やコストを可視化し、比較することで簡便性とコストメリットを訴求する。

日本は胃腸が繊細なこともあり、水への投資を惜しまない傾向が強いため、浄水器の市場では世界を牽引しているようです。

ウォーターサーバーを家に設置する人も昨今増えているので、浄水器設置によるメリットを上手に伝えていけば、もっと伸びそうですね。



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