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#02 米企業「Thinx」をマーケティングトレース(企業戦略分析)

「Thinx」ってどんな会社?

Thinxはニューヨークに拠点を置く会社で、主に女性用の衛生製品(生理用ショーツ)を製造しています。

Thinxのショーツは特殊な素材の記事を4種類組み合わせて作られており、ナプキン無しでもショーツが直接経血を吸収する(洗って繰り返し使用可能)という次世代生理用品です。

また、貧困で生理用品が買えず、学校を休まざるを得ない子供たちがいるという問題に強い社会課題意識を持っており、そのような子供たちを救うために売上の一部を寄付したりもしています。

PEST分析:外部要因分析

Thinxのビジネスには、社会的問題背景や独自開発技術が大きく関わっていることがわかりました。

①「Pink Tax」という概念が存在する(Society)

これは、同種の製品でも女性向けの方が男性向けよりも高く販売することが多いというジェンダー間の価格差別を表している言葉です。Thinxは生理用品はトイレットペーパーと同様に公共のトイレでは無料で使えるようにすべきだ、との主張をしています。

②小学生や中学生にとっての経済負担が大きい(Society)

②女性が一生涯に使用する生理用品の金額は約270,000円(Economy)

③特殊素材の開発(Technology)

ポジショニング分析

紙ナプキン、タンポン、月経カップ、布ナプキンなどと比較した際に、

・洗って繰り返し使用可能(ナプキンいらずor減量できる)

・使用するにあたり煩わしさがない(体内に挿入するものの場合は、一定数の抵抗がある)

の2点が大きく差別化されたポイントであると考えます。


成功要因を整理

①社会問題に根ざした強いブランドメッセージが消費者の共感を得ている(Branding)

②「ナプキンいらず」というイノベーティブな製品発想と品質が、女性の悩み解決に直結している(Product)


自分がCMOだったら?

まず日本語サイトを準備し、ブランド理念を正確に伝える。
ブロガーの体験記しか日本語の情報がない現状でも、「製品特徴」だけでディーラーによっては品切れするほどニーズを捉えている。
日本語で公式に「ブランド理念」を伝えることができれば、更に共感を呼べるのではないか。



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