小説を書くには人生は短すぎる
皆様は、チェスにこんな名言があるのをご存じですか。
Life is too short for chess
チェスをするには人生は短すぎる
チェスでなく、物書きにも当てはまると思うのです。
「小説を書くには人生は短すぎる!」と。
なぜ急にそう思ったのか、理由は以下に述べております。
お読みいただければ幸いです。
救急車内で、現実逃避
「人間いつ死ぬか分からんから、紙の本を出したいな」
先日、救急車の中で思ったことです。実は私には持病の家族がいまして、救急車で運ばれるのは一度ではありません。私も同乗して病院へ向かったのですが、サイレンの鳴り響く中、ガタガタ揺れる車内で、救急処置を受ける家族を見て思いました。
もしも私が意識不明の重体で運ばれ、魂が三途の川へ飛んだなら。天国の花畑でご先祖様たちが「こっちだよ~」と手を振っていても「本を出すまで死ねん! またね」と大きく手を振り、急いで現世に飛んで戻るだろうな、と。
そして天命を全うする時には、棺は私の書いた本でいっぱいにして欲しいのです。極めて縁起の悪いことを、かなり本気で申しております。天国へ電子書籍は持って行けなさそうですが、棺桶に紙本を入れれば天国でも自分の本を売れそうな気がします。今年亡くなった祖母の棺には、お花や思い出の写真を沢山入れました。私は花より団子、団子より本です。
救急車に乗りながら、このような阿呆なことを考えていました。不安による動悸と発汗が止まらなかったので、あえて「本」のことを考えて気を紛らわせていました。
めざせ書籍化!
従来の「書籍化」ですと、主に三パターンですね。
1 自費出版
2 公募で受賞
3 投稿サイトで人気が出る
最近の王道は「3」だと思います。実際私も投稿サイトを「セルバンテス → 講談社ノベルデイズ → ノベルアッププラス → カクヨム &アルファポリス(現在)」と渡り歩きました。
▼最初の投稿時▼「親愛なる魔法使いへ(2019/04/15)」という題名でした。
いや~、懐かしいです。
この時のイラストは「Oppadoll・Unniedoll」というアプリメーカーで作成しています。
これをスタートにWEBでの創作活動に心血を注ぎました。
・西方忍聞録
・東方忍聞録
・天井くんの甘くない事件簿
・シスター泥棒
・天ノ川アリス(短編集)
はじめは箸にも棒にもかかりませんでしたが、徐々にランキングに載るようになり「日本チャットノベル大賞」で「大賞・特別賞」を受賞。講談社からは夏期限定でグッズも販売致しました。
良いことがある度に酒を飲み、肉を食べ、深夜に菓子をむさぼり、三ツ矢サイダーで流し込んでいました。不摂生な宅飲みが祟ったのでしょう。
W受賞しても、グッズを出しても、累計ランキングに入っても。
なぜか、念願の「紙本」だけが出せなかったのです!!
なにこれ、報われねえ――!!(😭)
けれども時期が時期です。ウイルスの影響で売上が伸びず、1巻打ち切りになった本が多かったといいます。その点私は……そうですね、報われなかったけど、在庫を抱えることはありませんでした。
・天井くん → 電子書籍のみ
・グッズ → ClubT経由(注文の数だけつくる販売形式)
以下の経験を踏まえ「本も在庫を持たずに、注文の数だけつくるサービスがあるんじゃないか」と調べてみたら、ありました、ありました!
大手サイト「Amazon」で、注文の数だけ「紙の本」を出すことができ、尚且つ「在庫」を抱えることがないので、損失はゼロ!
これが「Amazon POD」でした。
注文の数だけ作る本
AmzonPODとは「アマゾン・プリント・オンデマンド(Print on Demand」の略称です。
アマゾン以外にも「製本直送」などが独自のオンデマンドサービスを展開しています。他にもサービスを提供している会社がいくつもあり、とことん調べてみました!
アマゾンPODは「販売代行会社」を通さなければ出版できません。
私はネクパブ様の販売代行サービスを利用することにしました。
決め手となった理由は3点です。
❶ 在庫を持たずに、無料で何冊も出版できること。
❷ サイトの取説(PDF)が非常に分かりやすかったこと
❸ Amazonでの販売価格を自由に設定できる
まず「❶」です。何冊「紙の本」を出版しても、作者が負担費用は無料というのは非常に嬉しい! 作品を「シリーズ」で出したい私には理想のサービスです
そして「❷」の取説が分かりやすかったこと。以下にリンクを貼り付けていますので、興味のある方は是非▼超分かりやすいです。
最後に「❸」の「販売価格を自由に設定できる」こと。販売金額のシュミレーターがあるので、ページ数等を打ち込んで計算してみました。
総ページ数:135P(カラーページ無し)の場合
135Pで1180円税別。販売価格としては少し高いような気もしました。
参考までに。アルファポリスの単行本が290Pで1320円です。
著者の受け取り額ですが「8%」で「92円」
商業出版では、新人で印税8%、売れっ子作家で印税10%だそうですね。ネクパブは20%が推奨されていますが、私は8%にしようと考えています。
ただしアルファポリスの単行本と比べ、本の厚みは変化します。
135P……少な!! と思われた方も多いかと。
違うんです。本当は250P程度あったのですが。
あえてページ数を半分に減らしました!
レイアウトを「これでもない、あれでもない」日夜いじりすぎて、目がしょぼしょぼ、ハウルの動く城のソフィーおばあちゃんみたいになっています。
なぜページを減らしたのか。
Amazon PODは「ページ数が増えると値段が上昇」するからです!
Q:文字数を変えず、お手頃な価格の本にするにはどうしたら良いのか。
真実はいつも一つ、旭山の名にかけて。
コナンも金田一も、同じ答えに辿り着くでしょう。
ページ数を減らすしか無い!
だが文字数は減らしたくない!
そうだ、紙を大きくすれば良いんだ!
紙の大小にかかわらず、PODの値段を決めるのは「ページ数」です。
そうは言っても、A4サイズの小説本は大きすぎます。もはや雑誌です。
アルファポリスや、カドカワが出しているようなB6版が良さそうです。
けれどB6版のレイアウトに小説本文を落とし込みましたら、前述の通り250Pを越えてしまいました。値段も高くなります。
そうだ、文章を二段組みにしてみよう!
大成功! かなりのページ数をカットできました!
二段組みの本の見開きページは、こんな感じです。
もしかしたら、あまりなじみのない方もいらっしゃるかもしれません。
私がこの二段組み小説と初めて出会ったのは中学生の時、高田崇史先生のQEDシリーズでした!
最初は読み方が分からずに戸惑いました。
私の小説をサンプルに紹介すると↓こんな風に読みます。
視線の縦移動が短いので、慣れると大変読みやすいです。
商業化のメリット
私は受賞作「天井くんの甘くない事件簿」がボイスドラマ化が予定されていましたが、昨今のウイルスの影響等で、共幻社(eru-kikaku)が活動を停止してしまったので、メディア化が白紙になってしまいました。
また講談社からグッズを出させてもらいましたが、売上がふるわず、その後のメディア展開(楽曲提供)の話に繋げることもできませんでした。PODと同じような「注文があっただけつくる」サービスであったにもかかわらず、期待した売上に届かなかったのは「販売価格が高すぎた」ことによるものと考えています。一番安いグッズで「3000円(送料込み)」は「高すぎる」と知人に言われました。ほんと、そのお金で焼肉行けますよね~。
単行本135Pで1180円
試行錯誤し、市販の「アルファポリス単行本」と同じくらいの値段を目指した結果です。これでも「高い」と感じたら、真に申し訳ない。
同時に「kindle」で電子本を出版予定です。こちらはワンコイン「500円」を予定しています。
WEB投稿、受賞、グッズ化、電子書籍化を経て考えるのは「商業出版」のメリットです。
1巻で終わるのではないか、グッズが売れないのではないか……と「売上報告」がまるで「死刑宣告」のように感じ、執筆が捗らない日々を思い返すだけで胃腸が悲鳴を上げます。「やめて! 肉が喉を通らない!」
なので「売上成績」に気を揉まず「シリーズ作」を次々発刊できる環境というのは、空も飛べそうなほど自由だなぁ、と思います。
しかも大手Amazonで「紙本」と「電子本」を同時に出せる。金額も読み方も、選択肢の幅を広げた上で、自分は執筆に専念できる。理想です。
とはいえ、今せっせと「入稿データ」を作成している最中なので、温かく見守っていただけたら幸いです。
最後に。作品非公開の件について
現在、カクヨム、アルファポリスで公開している小説についてですが、出版の為「非公開」とさせていただきます。
Amazonには「出版審査」があるそうで、インターネット上で無料公開されているコンテンツがあると、審査に通らない可能性があるそうです。
▼参考動画▼
応援、評価、ご感想をくださった皆様には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
勝手ながら、ポリス・ラ・ポール、ならびに本作と関わりの深いシスター泥棒の二作品につきましては、「6月1日 0:00」を以て、どちらも非公開とさせていただきます。ご理解いただけたら幸いです。
旭山リサ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?