【Investor's Sight #6】「"情熱"は有限で、それでもLiquitousは一貫している」ー伊藤雄吉さんとの対話
株式会社Liquitousは2022年5月に、さらなる事業促進にむけた資金調達を行いました。それぞれの分野でご活躍の皆さまに出資いただき、新たなシナジーの創発も展開していきます。
出資という形で、弊社の取り組みを応援いただいている皆様にインタビュー「Investor's Sight」を行い、弊社に期待することなどを伺いました。
今回お話を伺ったのは、教育系の事業などをご経験されたのちに、動画PR会社でご活躍の株式会社AS 代表取締役・伊藤雄吉さんです。
――Liquitousの事業に対する率直な印象は?
まず、理想が強いなという印象があります。示している未来像は明確で、それは私自身も目指していたものです。一方でそれを形にする団体を目にしたのは初めてでしたから、ぜひ頑張ってほしいと。
行政に意見を反映させることは全ての人が目指していたことだけれども、実現していない。
人類が一歩踏み出す機会なのではないかという期待がありますね。
また私は栗本CEOとは兼ねてから付き合いがあり、Liquitousを始めるまでの思考プロセスも追ってきました。その中で社会に対する問題意識について、自らの人生をかけてあらゆる手段を用いて取り組んでいらっしゃる。
なんとなくベンチャー企業をやるという人はたくさんいるんだと思いますけど、しっかりと何年も時間をかけて準備をしているのがよくわかります。これを非常に評価しています。
――投資という形でLiquitousの事業を「応援」しようと決断いただいた背景・経緯とは?
会社と関係性をつくるというのは難しいことですよね。私自身は、とにかくお金を入れて株が欲しいという考え方ではありません。外部からその取り組みを応援するという際にはさまざまな方法があると思いますが、その中で投資するという選択肢を示していただけたのは非常に幸運だし、応援するという形で投資をさせていただいたという思いです。
これからのLiquitousは、明らかに結果を出していくと思います。会社としてうまくいくかは別として、何らかの社会的なインパクトを起こしていくのではないかと思っていて、そこに一枚噛んでみたいという気持ちもありました。
今回出資のお話をいただけたことは非常に光栄です。
――今回お声かけをした皆さまは、私たちの世界観をどれだけ理解いただけているのかというところが大きかったと考えています。
私は人を評価する時に、その人のやろうとしていることがどれだけブレないか、ということを見ています。学生の頃持っていた情熱が数年たつとすっかり変わってしまっていることは、残念ながら非常に多いなと感じることがあります。
やはり人の情熱というものは“有限”で、希少な資源だなと思っています。これがLiquitousは一貫していて、世の中を良くしていきたいというビジョンにも強く共感しましたし、これを持続して更新していく、スケールアップさせていくという点を高く評価しています。
中でも栗本CEOは、社会全体がどう運営されていくのか、興味があるんだと思います。社会をどう良くしていくのかということに関して、おそらく単純には考えていないのだろうなと。もちろん彼の全てを知っているわけではありませんが、その中で私から見えている範囲において、栗本さんの考えていることはブレていないように感じます。
彼(栗本)の根本にあるものは、結構私(のそれ)と似ていると感じています。世の中には、サステナビリティという言葉もありますが、社会の中で人を孤独にさせないためにどうするか、適切な行政サービスに一人ひとりがアクセスできるようにしたいと考えている点が似ていると認識しています。その際に、私は教育という立場から、彼は行政という立場からそれぞれ取り組んでいるわけです。
取り組み方こそ違いますが、目指している景色は似ている気がしますね。彼を通して、僕の社会に対する視座も広がっているなと感じます。
――私たちは単なる行政の代理人ではなく、住民の皆さんと行政のコミュニケーション・エージェント(代理人)です。社会に対して、常に明確に示していく必要があります。出資いただいた皆様についても、私たちの立ち位置にご理解をいただけることは大切だと認識しています。
これまでプロジェクトにお金を出してという経験はありますし、過去には逆にお金を出していただくという経験もあります。これは強く言っておきたいのですが、世の中一般で「お金を出す方が偉い」というような風潮がある気がしません?でも本当はこれ真逆だなと思っていて、なかなかお金って出させてもらえないんですよね。ちゃんとリアルな場所で情報交換をして関係性を作ってこそ生まれる形だと思います。
――Liquitousとの関係の理想像とは
ご一緒する時にひとつあるのは、投資したからと言ってそれを振りかざして上下関係をつくるというつもりはありません。より自由にやってもらいたいなと思います。
高圧的に密な関係をつくりたいわけではありません。逆にこちらのノウハウだとか強みをいかしていただきたいなと思っています。
――さまざまな難しさがLiquitousの道程にあると考えています
難しくないところがないと思います。「よくやるな」と思うところですね。私自身、現在も新たな事業の立ち上げなどをやっていますが、基本的に乗り越えなければならない壁っていうものは、少なく絞るものです。ここさえ頑張っていればなんとかなるみたいなものを絞るんですね。これをLiquitousはそれぞれのメンバーが全力で頑張らなければならない状況になっているわけですよね。シンプルにすごいなと思います。
またこういった取り組みは、とにかく人数を巻き込んでいくということが重要で、関係する自治体の方だけでなく、サービスを利用される住民の方々一人ひとりとのリレーションというものも非常に大切です。これは私の経験上非常に気の遠くなるようなことなので、そこを今後も考えていく必要があるなと考えています。
パブリックリレーションズを専門にしている立場からみても、様々な取り組みを重ねる必要性があるなと思います。想像がつきづらいこともあります。いいものを作ってしまえば、皆さんが使ってくれるという世界では一切ありませんからね。