私家版忍殺スターターキット(スズメバチ組向け)
と、いう事なので、4部デビューの新参ヘッズもやってみる所存。
筆者は本来、"ニュービーにこそトンチキ"派で、「ノーホーマー・ノーサヴァイブ」こそがベスト入門エピと信じてやまない狂人だが、スズメバチデビュー組がメインターゲットとなると、ビーンボールを投じるわけにもいかない。
という事で、読む上で前提知識が要らないこと、モータル中心のエピソードであること、ネオサイタマという街を描いた物語であること、辺りに焦点を合わせて選出してみる。
先鋒
起用ポイント:解像度の違いへの順応・「これまでのあらすじ」・忍殺の基本
言わずと知れた、"最初"の連載作品。他のヘッズ諸氏も挙げているが、忍殺を読み始める上で起承忍殺の基本がコンパクトにまとまっている為、解像度の違いに慣れ、忍殺本編の"お約束"を把握するにはベストといえよう。
また、「これまでのあらすじ」の存在により、トリロジー系列の特徴である"カットアップ連載"、ほんチの基本アティチュードである"何処から読んでも大丈夫"の2点についても研修できる。
次鋒
起用ポイント:「ソウカイヤ」の実態、ナラク化
無印ウキヨエの第1話にも起用された作品であり、予備知識負荷は少ない。また、墨龍オヤブンが夢を抱いた「ソウカイヤ」の実態も語られる。
なによりその名前こそ出ないものの、"ナラク化"が描かれているのもポイント。
中堅
起用ポイント:ニンジャスレイヤーの人間性描写、ニンジャに"なる"とはどういうことか、天狗
伝説の天狗回であり、ヤクザとヨタモノと狂人の物語。スズメバチでも描かれた"人は一瞬で変われる"が正負両面で描かれる。特に"ニンジャになる"というのはどう言う事かが、丹念に描かれるのは大きなポイント。
また、ここまで紹介したエピでは狂気の殺忍者にしか見えなかったニンジャスレイヤーの人間性の一端も描かれる。
副将
起用ポイント:ボーイ・ミーツ・ガール、ビガーケージ・ロンガーチェイン、ニンジャスレイヤーの二面性、達し袋
ボーイ・ミーツ・ガール・ミーツ・ニンジャ。忍殺の多様性を象徴するエピソードの一つであり、ネオサイタマのカルチャーとニンジャの暴虐をタチグミ少年の視点より描く。
また、カチグミであれ、それだけでは幸せに生きることは叶わず、ニンジャの暴虐はそういったものを簡単に奪い去る有様は、ノーカラテ・ノーニンジャと共に忍殺世界を貫く無慈悲なビガーケイジ・ロンガーチェインの原則を突きつけてくる。
今回のニンジャスレイヤーは、圧倒的な暴威で敵ニンジャどころか積極的にモータルも蹂躙しようとする面とそれに抗う面が描写され、ニンジャスレイヤーの持つ二面性が明確に示される。
大将
起用ポイント:ニンジャスレイヤーオリジンへのいざない、マッポーに輝く人間性の光
サンスイと並ぶ定番入門向けエピソード。ネオサイタマの闇とそれに抗う人間性の光。それはニンジャソウルの闇に沈まんとするニンジャスレイヤーの魂をも救うのか。
高い解像度によるネオサイタマ描写とニンジャスレイヤーオリジンの一端の前には、もはや沼に沈むほかあるまい。
最後に
という事で、スズメバチ組向けスターターキットいかがであろうか。裏コンセプトとして、"ニンジャスレイヤー"を知らないスズメバチ組に対し、段階的にニンジャスレイヤー情報を開示して興味をあおるというもくろみも。
先鋒:謎の忍殺者→次鋒:ソウカイヤを目の敵にする狂人…?→中堅:丸ほど、主人公らしい一面も…。→副将:え?主人公?→大将:おお…、フジキド=サン…。
と、いう感じで落ちてくれればなぁ、という感じで。カラテ重点なエピソードを入れられなかったのは無念だが、ニンジャスレイヤー概念に触れていないスズメバチ組を対象とするなら、こうやってじっくりとニンジャスレイヤー概念を注入しないと帰ッパされかねないので致し方なし。
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