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【西武ライオンズ 今日の見どころ】カウントダウン「LEGEND GAME 2024」#10 杉本正編

3月16日(土)に開催される、西武ライオンズ初のOB戦「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」まで、2ヶ月を切りました。

このページでは、出場が予定されているライオンズOBたちの、一味違った現役時代のエピソードや、玄人好みする記録などを紹介していきます。

杉本 正(すぎもと・ただし) 

投手 左投げ・左打ち 1959年5月3日生まれ
ライオンズ在籍:80~84年(選手)、98~01年、12~14年(コーチ)
通算成績:298試合 81勝90敗2セーブ 防御率3.87
背番号:20(80~84年)、70(98~01年)、88(12~14年)

 
大昭和製紙入社3年目だった80年の都市対抗野球大会で優勝。自身は1回戦から決勝戦までの5試合すべてに先発して、4試合で勝利投手となり、大会MVPにあたる橋戸賞を受賞する。

その年のドラフト3位で、西武ライオンズに入団する。投球動作のときに上げる右脚が、巻き上がるような独特な動きをするフォームが特徴で、落差あるカーブと、右打者の手元に食い込むスライダーを武器とした。

即戦力左腕との期待に応えるように、プロ初登板初先発となった1980年4月7日の日本ハムファイターズ戦で、柏原純一、クルーズ、ソレイタが並ぶ強力打線を4安打に抑える完封勝利。プロ野球史上20人目、ライオンズの新人投手では唯一となる、初登板初先発初完封勝利をやってのける。

そこから先発とリリーフの両輪をこなしながらデビュー3連勝、その勝利した試合はすべて完投と、ルーキー離れした活躍で、同期入団の石毛宏典に並ぶ新人王候補に躍り出る。

最終的に、新人王は石毛が獲得したものの、杉本も7勝8敗2セーブの好成績でプロ1年目を終える。じつはライオンズには、まだ新人で二桁勝利した左投手がいない。この杉本はじめ、56年畑隆幸、60年近藤光郎、93年杉山賢人の7勝が、新人左腕の最多勝利になる。今年のドラフト1位・武内夏暉には、ぜひこの記録を塗り替える活躍を期待したい。

3年目の83年には、自身初の二桁となる12勝をあげる。この年のライオンズには東尾修(18勝)、松沼雅之(15勝)、高橋直樹(13勝)、松沼博久(12勝)、そして杉本と、二桁勝利をあげた投手が5人いた。

そして、この5人全員が規定投球回に到達して、パ・リーグ防御率ランキングでトップ10入りと、まさに「先発5本柱」状態。しかも右の技巧派、本格派、サイドスロー、アンダースロー、サウスポーと、すべてタイプが異なる投手が顔をそろえる。そんな強力投手陣の一角を担っていたのが、杉本正だ。

1983年 パ・リーグ 個人投手ランキング

この年の読売ジャイアンツとの日本シリーズ。2勝3敗と王手を懸けられていた第6戦に先発した杉本は、8回まで1失点のナイスピッチング。2対1の1点リードで9回表のマウンドにも上がったのだが、あとひとりの2死から中畑清に逆転三塁打を浴びてしまう(その後ライオンズが再逆転して、試合は勝利した)。

この場面について杉本は、翌年ファイターズから移籍してきた江夏豊の部屋を、みずからノックして「自分の何が悪かったのか」アドバイスを求めたそうだ。こうした向上心、勉強熱心さが、長いプロ生活を支える礎になったのだろう。

85年のキャンプイン直前に、中日ドラゴンズ田尾安志との交換トレードが成立(ライオンズからは杉本と大石友好が移籍)。86、87年と、セ・リーグでも2度の二桁勝利をマークする。

88年の日本シリーズでは古巣ライオンズと対戦。第4戦に先発して、西武ライオンズ球場で4年ぶりの登板となったのだが、秋山幸二にホームランを浴びるなど4回途中3失点。敗戦投手になっている。

現役最後は福岡ダイエーホークスで4年間プレーして、93年に引退。その後、セ・パ4球団でコーチを務め、ライオンズでも2度に渡って、チームを支えた。

杉本 正  年度別成績

・主なタイトルなど
 オールスター出場 3回(82、86、87年)

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