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【西武ライオンズ 今日の見どころ オフシーズン編】松井新監督に期待する走塁改革

●松井稼頭央 ライオンズ18代目監督誕生

来シーズンからライオンズの指揮を執る松井稼頭央新監督の就任会見が行われた。監督の平均在位期間が4.29年と、比較的長期政権の多いライオンズ。初代の宮崎要から数えて、松井監督が17人目18代目(代行、代理は除く)となり、これで4代続けて、内野手出身監督の誕生となった。

ライオンズ 歴代監督
12球団監督  平均在任年数(2リーグ制以降)

●高卒2年目で1軍デビュー  3年目にはレギュラー奪取

PL学園から、1993年ドラフト3位でライオンズに入団。プロ2年目の95年には、早くも開幕1軍入り。8月20日の近鉄バファローズ戦では、プロ初本塁打となる先制2ランを放っている。この試合では4番の清原和博も19号ソロを打っており、記念すべきプロ1号は”PL学園アベック”アーチだった。

翌96年には、ショートのレギュラーを奪取。この年のオールスター明けから東尾修監督が抜擢した、1番大友進、2番松井稼頭央、3番高木大成の上位打線は、ライオンズの新時代を予感させた。

このシーズンの終了後に行われた日米野球では、4試合に出場して18打数10安打、5盗塁と大活躍。さらに、新春の人気テレビ番組「スポーツマンNo.1決定戦」で総合優勝。一気に全国区へと駆け上がっていった。

じつは日米野球は、右ヒジを痛めた田中幸雄(ファイターズ)に代わっての選出だった。「スポーツマンNo.1決定戦」も、当初出演予定だった高木大成がケガで辞退したことによる、代役での出演だったというのだから、その強運ぶりには恐れ入るばかり。なるべくしてなったスター選手と言うしかない。

松井稼頭央 主な獲得タイトル
松井稼頭央の持つ ライオンズシーズン最多記録(※NPB最多記録)
松井稼頭央の持つ ライオンズ通算最多記録

その後の活躍については子細を省くが、95年7月22日からMLBに移籍するまで、9シーズンに渡った連続1143試合出場と、通算307盗塁は、いまなお破られていないライオンズの球団記録だ。

●今シーズンのチーム盗塁60は 球団ワースト4位の少なさ

就任会見の席上で「走攻守で躍動感のある、グラウンドを駆け巡る野球」が理想だと話していたが、こと盗塁に関しては、今シーズンのライオンズには物足りなさが残った。

金子侑司、源田壮亮、若林楽人といった、盗塁を期待できる選手たちが、ケガや新型コロナ陽性判定によって、グラウンドに立てない時期が多かったとはいえ、チーム盗塁数はパ・リーグワーストの60。これはライオンズの球団史上4番目の少なさで、盗塁企図が100に届かなかったのは、2005年以来17年ぶりのこと。

ライオンズ チーム盗塁数(1997年以降 ※は盗塁王)
ライオンズ シーズンチーム盗塁数 ワースト記録 

松井稼頭央が初めて盗塁王を獲得した97年、チームは球団最多となるシーズン200盗塁を記録。この年の松井は、ひとりで62盗塁していたのだから、今シーズンのチーム60盗塁が、いかに少なかったのかが分かる。

●通算盗塁成功率.819は NPB歴代2位

ちなみに2001シーズン、松井は26度盗塁を試みて26度成功、成功率10割を達成している。NPB史上シーズン20盗塁以上して、成功率が10割だったのは、この01年の松井と、02年に22盗塁して1度も失敗がなかった仁志敏久(ジャイアンツ)のふたりだけだ。

松井の盗塁成功率は、NPB通算で.819(363盗塁、80盗塁刺)。NPBで通算350盗塁以上している歴代18選手のなかで、成功率が8割を超えているのは、4選手しかいない(1リーグ時代の盗塁刺の記録が一部残っておらず、不明が2選手)。松井の成功率は、広瀬叔功(ホークス)の.829(596盗塁、123盗塁刺)に次いで、歴代2位の高さなのだ。

NPB通算350盗塁以上

もちろん盗塁の数がすべてではないが、少なくともケガのリスクがあるからと、打席から一塁まで全力疾走できないというのでは、プロのアスリートとして寂しい話だ。松井新監督には、ぜひ走塁への意識を、チームに浸透させてもらいたい。

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