SM小説「路上の恋文」①遺失
麻美という女性
名前は麻美、27歳。女子大院卒のいわゆるリケジョ。正確はまじめで几帳面。学業成績は非常に良かったため、第一希望の某化学薬品メーカに入社することができた。そして、希望通り開発部で働き始めて三年が経過していた。
ようやく自分でも少し仕事ができるようになってきて仕事の楽しさを感じ始めた頃だ。特に実験データをまとめる部分についてある程度の裁量を与えられるようになっていた。毎日残業が当たり前の職場であったが、麻美にとっては苦痛ではなく、むしろ心地好い達成感があった。