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不動産投資に思うこと

はじめに

まず最初にお断りしておくと、私は自分の不動産投資のやり方を他人に勧めたりしない。
各種SNSでは不動産投資のノウハウなどを、情報として売って儲けようとする意図が透けて見える輩が山程いるように思える。
そういった情報商材を勉強代として支払って先行投資、自己投資と捉える向きもあると思うが、私が賛同できない。

書籍はどうだろうか。
私も数十冊の不動産投資関連書籍を読んだが、役に立つもの、立たないもの玉石混交の本の海から玉を拾い上げなければならない。
現代においてはAmazonなどのレビュー情報も溢れているので、ステマに気をつけつつ選べば、昔よりは近道で有用な情報に辿り着けると思う。

投資関連の書籍はやはりリスクについて詳細に、わかりやすく説明してくれている本が有り難いと感じている。
特に不動産業界はIT化なども遅れていて、良い情報ほど非常にクローズドな世界でのみ流通するため、足を踏み入れてみないとわからない事も多々あると思う。

私の不動産投資状況

現在私の不動産投資の内容として、法人を設立し、東京23区内に1棟8階建てマンションを新築し2019年から賃貸運用を開始。
その他、個人で同23区内に4部屋の区分マンション、大阪市内に一戸建てを1軒所有している。

メインは法人で運用している1棟マンション。
11部屋と1店舗の構成で月の家賃収入は満室で190万円弱なので、年収で2,280万円ほどのプラス。
だが、土地取得費用と建築費用についてはほぼ丸々銀行から融資を受けているため、返済と管理費などの諸経費合計が毎月140万円近くになる。
手元に残るのは50万円あれば良い方である。
年間約600万円の利益が出るため、法人税としては15%適用されて90万円。
さらに土地と建物の固定資産税が毎年数百万円支払いのため、純粋な手残りとしては400万円くらいだろうか。

しかも昨年のコロナ渦で法人事務所向けに貸していた部屋などがボコボコと空室になり、1階の店舗も退去された。
一時的に銀行の支払いが家賃収入を上回る赤字経営になったが、その後に数部屋は埋まり、現時点では収入と返済がトントンの状況。
店舗にお客様がつくのが最善だが、この経済状況ではまだ先が見えていない。

個人で購入した区分マンションは1戸を除いて満室、一戸建てもシェアハウスとして賃貸中だがこれらは所得税の還付目的で節税として購入しておりほぼ利益が出ない収益構造になっている。利益分は固定資産税でトントンになる程度。
このため購入から10年以内には売却を想定しているがあと7年くらいは現運用で保持する。

不動産投資をはじめたきっかけは友人からの紹介

15年ほど前、不動産投資の本を読んだことをとあるSNSで書いた。
金持ちになりたい、というのが口癖の年下の友人がこれに反応し、急速に不動産投資についての勉強を始め、人脈を作り、銀行融資を受け、数年で都内に1棟マンションを入手した。その後も彼はマンション経営の実績をバネに次々と所有マンションを増やしていき、数棟のオーナーとなった。

私は30代後半になっていて年齢から銀行融資の審査を受けても35年ローンなど通らないだろう、と勝手に思い込んでいた。不動産投資をやりたい気持ちはあることを友人に伝えると、「まだまだ全然イケます。ライオさんなら属性も高いのでかなりの額の融資で審査合格しますよ。」と言われた。

この頃から彼の人材ネットワークを紹介してもらい、銀行を紹介してもらい、新築マンション建築計画が始動した。

年収の高いサラリーマンなら不動産投資は楽勝?

私は20代後半で年収が1,000万円を超え、それから年々増えていき2,000万円いかないくらいの年収が継続しているが、貯蓄はそこまでできていなかった。車を買い、株やFXで損をし、消費が多かったためだ。
働けるうちは毎年上記の年収が入ってくると信じて疑わず、何とかなるだろうと思い続けていた。
いざマンション建設用の融資を受ける段になり、有価証券や現金のように銀行に見せられる資金としては余裕はなく、融資条件となった銀行へ3,000万円程度の資金を預ける、というのは結構ハードルが高かった。
文字通り動かせるお金を全てかき集め、何とか現金を作った。

まず都内の一等地の売土地が出たため、即座に買いを入れ、融資を受けて購入。しかしそこから実際の建築開始まで設計会社の動きの悪さや工事の遅れなどがあり、銀行融資を受ける際の計画よりも1年程度遅れて竣工となった。

これは何が困るかと言うと、銀行は建物の引き渡し予定に基づいて返済計画を作成してきており変更ができないため、建物ができてなくても返済は予定通りにスタートしてしまうため、収入が無いのに返済は土地+建物分をフルで支払い開始することになる。

建物分は数回に融資が分かれていたので段階的に増えていったが月に120万程度の返済が毎月のしかかり、預けていた3,000万円がどんどん削られる事態となった。
あまりにも戦略を立てず、友人や紹介してもらった不動産関連業者に任せすぎた結果が招いたもので、今振り返れば色々と対策は打てたな、と思えるようになったのでいい勉強にはなった。

結論として不動産投資はオススメか?

上記のケースは私の不動産投資の入り口がマンションを新築するケースだったので特に厳しかった、というあまり良くない事例になるだろう。
中古アパートやマンションを購入して満室経営していく計画と戦略をしっかり立てて挑めば状況は大幅に異なるので否定しないが、数億の流動資産を持たない状態で最初の不動産投資が新築マンションというのは個人的にオススメできない。
キャッシュフローシミュレーションのための計算シートなどを紹介した書籍やサイトなどもあり、リスクを含めて事前にしっかり知識武装して臨むべきだ。

また、不動産投資についてはこれから日本の人口が減少していく背景をしっかりと認識して土地を選ぶ点については厳選する必要があると考える。ゼロ金利政策が継続している今なら借りるのは比較的容易かもしれないが、いかに返済するかを戦略立てて計画することの方が重要なので、シミュレーションは現実的にリスク管理なども含めて実施していただきたい。

ちなみに不動産投資を不労所得と称して不動産投資を奨励するかのような謳い文句の書籍を見かけるが、私の場合はかなり苦労したので不労の印象は全くない。
マンションの管理は自分でやらず管理会社に任せて毎月報告を受けているため本業に支障もなく、見方によればそうかもしれない。
だが、法人関連の諸手続きや問題が起きた際の判断は、オーナーの私が行うため完全手放しで放置しててもお金が入ってくるほど簡単ではない。

いずれにせよ、人により他にどのような投資を行っているか、総資産の中でどれくらいの割合を不動産投資によって資産形成するのかなど、多角的に検討してから乗り出すことをオススメしたい。

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