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和紙、巻いてます。

予想通り、更新が途絶えました。

うっかり3日坊主になるところでしたが、今回は気合が違うので簡単には挫折しません。誰にも読まれなくても、マイペースに続けます。

一番最初のブログで素材の話をしました。最近、作品制作にはもっぱら和紙を使っています。

紙の種類は多くあれど「なぜ和紙にたどり着いたのか?」というと、扱いやすく強く、そして素材の表情が豊かだからです。

ヒンメリを作る際にはストロー状の材料が必要になります。私は薄めの和紙をストロー状に巻き、のりで接着して小さなストローを手作りします。

非常に地味で地道な作業です。ヒンメリを制作するよりも、紙を巻いている時間の方が長いです。大量のパーツを作っていると、正直なところ飽きます。

「ストロー状の材料が必要なら、プラスチックのストローを使えばいいじゃない」と思われることでしょう。でも、以前のブログで述べた通り、プラスチックを使うことは本意ではありません。

「プラスチックのストローがいやなら、紙のストローを使えばいいじゃない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。そう、仰る通りです。でも、紙のストローは高価なのです。

大きいサイズの作品を作ろうとすると500本以上パーツを使うこともあります。紙のストローを購入して作品制作しようもんなら、どれだけ材料代がかかることか・・・

そこで「材料がないなら、自分で作ればいいじゃない」と思いつき、自分で紙を巻く手段を選びました。フィンランドでヒンメリの作り方を習った時に「雑誌や新聞を巻いても材料を作れる」と聞いたことがヒントになったのですよね。

写真はフィンランドの古い雑誌を巻いて作ったヒンメリです。

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材料から手作りした当初は、トレーシングペーパーを使っていました。でもトレペは糸が食い込むと紙が裂けてしまうのと、折れずに割れることが多く、どうも使いにくいということに気付かされます。

そんな経験を経て「巻きやすく、強い紙素材」を模索した結果、和紙が最適なことが分かりました。薄めであれば巻きやすく、和紙は繊維が絡み合っているので、のりで固めるとストロー状としてもしっかりした素材になります。

とはいえ、薄すぎると簡単に折れてしまうので、薄すぎず厚すぎずの和紙を選ぶのがなかなかの冒険です。いかんせん巻いて、のりを乾かさないと強度が分からないのです。

ということで、日々、和紙を編み棒で巻いてます。しつこいようですが、ほんとに地味です。効率も悪いので、紙ストローが安くて手に入りやすくなれば、紙ストローを使いたいくらいです。

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でも、和紙は紙によって表情が異なり、作品が有機的になります。やさしくて、寄り添ってくれる感じがします。あたたかいです。

日本は伝統工芸や伝統産業の衰退が著しく、多くの問題を抱えているように思えますが、モノの良さというのは後世に残したいなと強く感じています。

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