【LAiR’s Artist】山本恵海
Profile
暮らしに寄り添うかたち”をテーマに主に石を用いて、作品制作を行っています。目には見えない何かを感じてもらえれば幸いです。
[略歴]
1989年生まれ宮城県出身
2013年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業
2015年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了
[作品設置]
横浜市金沢動物園/国立市富士見台さくら通り/チャームプレミアグラン御殿山/kaika東京share Hotels(〜2022.3月まで)
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作品紹介
貝の化石でできた大理石の器に、増穂浦海岸で採取した桜貝をすり潰した作品です。
桜貝は美しい発色の良いピンク色で、とても薄く儚い貝です。
それを石の器の中ですり潰し、1つの貝という成り立った形を壊し、何か分からない状態にする事で、見た目だけに囚われた美しさだけではなく、素材そのものが持つ特有の輝きや繊細さを表現しました。
そして、大理石の器。器は本来水を運ぶために作られたかたちですが、石は重くて硬くてとても厄介な素材です。
目には見えない特別なものを受け入れるために東京からやってきた石の器。桜貝で満たされた事で、作品としてその場所に在ることを受け止めてくれた様な気がします。
linnasのコンセプトと同様に与えられた作品のテーマである「HYGGE」。
言葉の翻訳では、満ち足りること、癒しや寛ぎを与える特別な空間や時間ですが、私にとってその体験が得られるのは、誰かが見えない部分で頑張っているからだと、旅を通して感じることができました。
目に見えない部分こそが「HYGGE」という言葉の本質があると思います。
今目の前にある美しさやかたちだけではなく、目にすることのできない経験や言葉にし難いものを大切にする気持ちが伝われば幸いです。
LINNASアーティストインレジデンス企画【LAiR】について
LINNASは「街の中のちいさな複合施設」として、その地域の中の人、外の人、様々な人が行き交うHUBにしていきたいと考えております。そのためにアーティストの方々が訪れる機会を創り、多様性を生み出していきたいと考えています。
また、ホテルとしてのコンセプトは「ヒュッゲ」を掲げています。ヒュッゲとはデンマーク語で「居心地の良い空間・時間」を意味する言葉です。宿泊されるゲストには、そんな豊かさを感じるひと時を提供します。そしてこの感情を、日常にも持ち帰っていただけたらと思います。
豊かな日常を分解していくと様々な要素があるかと思いますが、LINNASが提供したい「豊かな日常」の一つに「アートのある日常」があります。
家で過ごす時間が長くなった今、家の中にアートがあることで気持ちが明るくなったり、癒されたりするのではないでしょうか。
LINNASではアーティストインレジデンスで滞在してくださったアーティストの作品をお部屋や共用部に飾っていくことで、宿泊する人たちに「アートのある日常を試着」していただきたいと考えています。