【イベントアイディア相談会③】黒木 久美子様
こんにちは!りんくるのつよぽんです🤝
現在、りんくるでは白鷗大学地域協力ボランティア同好会UN-UNIと共同で子ども向けイベントを計画しております!
本日は、子育て中の母親たちを支援する市民グループ ”個育てマム” で代表を務めている
黒木 様との【イベントアイディア相談会】の様子をお届けします。
1児の母として、小山市で子育てをした経験から、
子育て中のお母さんを支援するサークル”個育てマム”を主宰している。
また、個別指導塾スマイルアシストの塾長として小山市の教育発展に寄与している。
【黒木さまのお問合せ先】
学生・新卒時代
防衛省に入省した理由
ー事前に、黒木さんのプロフィールを拝見しました。そこには、防衛省に新卒で入省したと書かれていたのですが、なぜ防衛省に就職したのですか?
黒木 さま:
はい。私が防衛省に就職した理由は、PKO活動に熱烈志望だったからです。私は、学生時代、先輩に誘われたことがきっかけで、ボランティアサークルに所属していました。ボランティア活動を通して、ありがとうと言われる喜びや社会貢献できる喜びを感じていました。そこで、社会人になってからも社会に貢献ができる仕事に就きたいと思い、調べていると、防衛省が紛争地域に行って支援をする国際平和維持活動(PKO活動)に従事していることを知りました。私のやりたいことだと思い、迷わず防衛省に就職しました。
女性の社会進出の壁を感じる
ー防衛省に就職後はどのような活動・生活を送っていたのですか?
黒木 さま:
はい。防衛省に就職後は、各地にある自衛隊の拠点(駐屯地)を回っていました。また、通信科に所属し、暗号通信・無線モールス信号通信などをやっていました。
そして、防衛省時代には、結婚、出産、子育てを経験しました。当時は、男女共同参画社会基本法が制定された頃で、自衛隊の中でも女性自衛官を積極的に採用していました。しかし、働きながら子育てをするお母さんの支援体制がほとんど整ってなかったため、女性自衛官の会で『駐屯地内に保育所を作って欲しい』など意見や署名をまとめて自衛隊の長である幕僚長に意見書を提出しました。
ですが、すぐには具体化には至りませんでした。これらの経験から、女性の子育てと仕事の両立の難しさを体験し、民間でスピード感をもって、社会を変えていきたいと思うようになり、退職しました。
国の制度を変える難しさ
ーなるほど。なかなか国の制度を変えるのは難しいことなんですね…
黒木 さま:
そうですね…国の制度を作るためには、慎重に進めなければいけないと思いますが、今すぐに支援を必要としている人へ届かないという課題はありますね。
また、国の制度を変えるのには、早くても30年くらいは必要だと実感しました。初めの10年間で課題を抽出し、次の10年間で新制度案を検討し、最後の10年間で社会実験を行い、新制度が成立する感じかなと。
防衛省を退職後に待ち受けていたこと
ー防衛省を退職後について教えてください。
黒木 さま:
はい。防衛省退職後は、地元福島県に戻って、民間の企業で務めていました。しかし、自衛隊がチームプレーだとすると、そこは個人プレーが際立ち、働き続けていくことに違和感を覚えていきました。
改めて、自分のやりたいことを考えた時に、『教育に携わる仕事』がしたいと思いました。そこから、教育に携われる仕事である『学習塾の設立』に向けて経営の勉強など起業をするための準備を始めました。そんな矢先に、2011年3月11日 『東日本大震災』 が発生しました。震災によって、実家は半壊し、起業プランは白紙に戻りました。そして、原発事故の不安や子どもの安全を考えて自主避難を決めました。
小山市に引っ越して
小山市を選んだ理由
ーなぜ、小山市を選んだのですか?
黒木 さま:
はい。それは、まったくの勘でした。
知り合いを通じて知った小山市で、物件を探していた時に、たくさんの新興住宅が建設されていることを知りました。それを見て、伸び代があるまちだと感じました。実際に小山市に移り住んで11年ですが、イメージ通り新しいチャレンジを受け入れてくれる町でした!
他にも、交通の便が整っているということも選んだ理由の1つです。
スマイルアシストを起業するまで
ー小山市に移り住んでから、すぐに”個別指導塾 スマイルアシスト”を起業したのですか?
黒木 さま:
起業するまでは、1年半くらいかかりました。当時を思い返すとすごく大変な時期でした。
まず、2012年3月に小山市に移り住んで来ました。しかし、無職のシングルマザーだった私は、家を借りることが出来なく、知り合いの方にアパート契約をしてもらい、やっとの思いで家を借りました。また、世間では福島県出身というだけで心無いいたずらや陰口など風評被害を受けるというニュースや報道が流れていました。そのため、なるべく人目を避けて、1日中カーテンを閉めた生活を送っていました。そんな生活をしているため、仕事もなかなか見つからず、貯金を切り崩す生活をしていました。本当にどん底の1年半でした。
しかし、あの1年半が大切な時期だったと思います。経営の基盤を整えるために準備をしたり、1人で子育てをする大変さを改めて実感する期間でした。そこから、小さなワンフロアの教室を借りて、2013年4月に個別指導塾 ”スマイルアシスト” を設立しました。
ー個別指導塾 ”スマイルアシスト” を設立してから今年で11年目なんですね!
黒木 さま:
はい。皆様のおかけで、なんとか11年間続けられました。
スマイルアシストでは、2歳の幼児から15歳の中学生まで1人1人に合わせた学びを実践するタイプ別の個別学習指導を行っています。また、”学ぶって楽しい”と思ってもらえるように学習指導に取り組んでいます。
白鷗大学の学生さんも塾の講師として活躍してもらってますよ!
お問合せ先:スマイルアシスト
個育てマムについて
活動概要
ー黒木さんは、”個育てマム”というママさんたちのグループも運営されていますよね?
黒木 さま:
はい!個育てマムは、『社会全体を大きな家にしよう!』というコンセプトでお母さんの子育てを応援し、子どもたちが笑顔でいられる環境を作るために活動しています!
活動内容は、毎月『個育てお茶会』というイベントを開催して、子育てに悩むお母さん同士が情報交換できる場を作っています。また、偶数月には、『スマイルマルシェ』というイベントを開催して、お母さんがゆっくりできるように心と身体をメンテナンスする講師をお呼びしてます。また、同時に子どもたちが安心して遊べるような子どもの遊び場も別室に作っています。
『社会全体を大きな家にしよう!』
ー『社会全体を大きな家にしよう!』とはどういった意味ですか?
黒木 さま:
はい。『社会全体を大きな家にしよう!』とは、子育てを家族だけで完結するのではなく、周りと頼りあいながら行う社会を実現するということです。現代の社会は、『他者から干渉されたくない』と考える家族が多いと思います。しかし、聖徳太子が『和をもって貴しとなす』と説いたように、日本の根底は『和』にあると思います。子育てだって、本当は、社会全体でするものなのではないかと思います。『今日お母さん遅いんだ』という子がいたら、『じゃあうちへご飯を食べにおいで』『おかずいっぱい作ったから持って行って』と地域の大人が支え合うことが出来たら、”子ども食堂”も必要なくなると思います。そして、子育てで大変な時期は周りに頼って、手が空いたら今後は次の「大変な家庭」を支援するといった世の中の循環が生まれるような社会を作りたいです。
今後の目標
ー”個育てマム”として今後の目標を教えてください。
黒木 さま:
はい。”個育てマム”としての今後の目標は、子育てしやすいまち作りと教育機会の充実に向けた活動を行っていきたいと思います。
子育てしやすいまち作りに関しては、お母さんの特技が活かせるようなイベントやお話会を作りたいです。例えば、現在主として共に活動しているメンバーの中には、食の専門家や身体のケア専門家や心のケア専門家がいます。そういった専門技術を持った母親が社会の役に立てると実感していただけるようなイベント企画を行いたいです。また、あなたの不要が誰かの必要になるをコンセプトにした”0円交換会『ぐるり』”の開催など新しい取り組みも行いたいです。
そして、教育機会の充実に向けた取り組みに関しては、昨年度映画上映時に、118人の参加者から教育に関してのご意見をいただきました。その声を市政や学校教育現場の先生と連携をしながら反映させていきたいと思います。
お問合せ先:個育てマム
教育機会の充実
ー教育機会の充実についてもう少し教えていただけますか。
黒木 さま:
はい。”個育てマム” では昨年、子ども主体の先進的な取り組みを行う学校の様子を描いたドキュメンタリー映画『夢見る小学校』の上映会を開催し、2日間で計4回の上映に200人以上の方に参加していただきました。そこで、参加者を対象にアンケートを実施し、計118件の回答をいただきました。その声を元に、小山市へ上映会と活動報告の機会を得ることができました。
現在、日本には30万人もの不登校児童がいます。小山市にも500人以上います。しかし、これは氷山の一角でもっと多くの子どもたちが選択して学習環境を選びたいと望んでいます。しかし、支援体制や予算配分が充実しているとは言えません。例えば、栃木県でフリースクールを利用したいと思った場合、条件付きのの補助金しかでません。その使用用途は、交通費と活動費にかかる費用のみと定められています。
そこで、福祉大国として進んでいるオランダ、デンマーク、フィンランド、スウェーデンなど北欧諸国を専門的に研究している先生と対話をしたり、他県の事例を参考にしながら小山市で活かせる部分がないのかを検討したりしてます。
ーアンケートを集計し、市長へ提案するだけでなく、”個育てマム”のお母さんたちも研究し、解決策を考えているのですね!
黒木 さま:
そうです!我々自身でも子どもたちの教育環境について考えています。
他にも、少し団体の活動とは外れてしまうのですが、各自治体で教育改革を進めるために、”あなたの声でつくる教育プロジェクト”というプロジェクトにメンバーと共に参加しています。
あなたの声でつくる教育プロジェクト
ー”あなたの声でつくる教育プロジェクト”について詳しく教えていただけますか?
黒木 さま:
はい。”あなたの声でつくる教育プロジェクト”は、日本各地の子ども・学生・保護者・先生・地域の大人・行政人など、地域社会に関わる多様な市民が垣根を超えて、教育について対話を広げるプロジェクトです。具体的な詳細はこちらの図を見ていただいた方が分かりやすいと思います。
『教育改革都市宣言』とは、誰か1人が教育のあり方を考える社会ではなく、皆で教育について考える都市を目指そうということです。例えば、教育現場の課題である”学校の先生の仕事量”が多いという問題が出た時に、解決策として部活動廃止や教科担当制への移行という案が出たとします。この時に、大多数の人は賛成するかもしれません。しかし、ある先生は部活動の顧問が仕事のやりがいになっているかもしれないし、またある生徒は多くの先生と関わることが苦手で、特定の先生と関わることで悩みを相談できているかもしれません。こういった教育に対する様々な意見を一部の人だけでなく、市民全員が言えるような都市を作っていきたいと思い、立ち上がったプロジェクトです。
お問合せ先:あなたの声でつくる教育プロジェクト
今後の目標
ー貴重なお話ありがとうございました!最後に個人的な目標についてお聞かせください。
黒木 さま:
はい。個人的な目標は、子育てしやすい社会を作ることと子どもたちが自由に学べる環境を作ることですかね!
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今回のアイディア相談会を通して、黒木様の教育や子育てにかける思いを知ることが出来ました。
黒木様、今回はイベントアイディア相談会にご協力いただきありがとうございました!
また、こちらには書ききれなかった裏話や極秘テクニックも教えていただけたので、これからの参考にさせていただきます。
次回の【イベントアイディア相談会】は2024/4/26(金)に行う予定です。
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