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統合失調症患者は腸管透過性が異常に亢進している

今年は本当に雪が多い年です。また今週も関東地方に積雪があるかもしれないとのこと。
一方、北京オリンピックが開幕しましたね。スキージャンプで金メダル!
多くの選手がなかなかうまく飛べない中、あの大舞台で2本続けてそろえてくるというのはすごい精神力だと思います。
スポーツ選手、特にトップアスリートでもオリンピックとなると極度の緊張だと思いますが、セルフコントロールできる選手は今回のように結果を残せる、ということかなと思います。

さて本日は、統合失調症の患者さんはリーキーガットになっている率が高い、という山梨大学からの報告です。
リーキーガットという病気は存在しない、という意見もありますが、今回は腸管透過性としてラクチュロース・マンニトール比を指標に調査を行っています。

▶論文概要
統合失調症患者22名(平均年齢37.9±10.5歳、男性9名、女性13名)と86名の健常対照者(平均年齢43.5±11.0歳 男性41名、女性45名)を対象とし統合失調症患者における腸管透過性を調べた。
患者は、対照群と比較して「リーキーガット」(LMR≧0.1と定義)の割合が有意に高かった(22.7% vs. 5.8%、オッズ比:4.8 [95% 信頼区間, 1.2-18.3], Fisherの正確検定、P = 0.03)。
統合失調症患者では対照群に比べ、腸管透過性が異常に亢進している割合が高いことを示唆するものであった。
さらに、腸管透過性は統合失調症患者の認知機能および細胞性免疫機能に関連している可能性がある。
LMR:ラクチュロース・マンニトール比

▶論文情報
Gut permeability and its clinical relevance in schizophrenia
(山梨大学)
Neuropsychopharmacol Rep. 2022 Jan 25
発行日:2022年1月25日

通常は腸管を通過しないマンニトールやラクチュロースを摂取し、尿からどれだけ検出されるかを調べていますので、LMRが高ければ、いわゆる腸管透過性が亢進しているということです。
今回の結果は、腸管透過性の増加は、体内の慢性炎症を引き起こし、全身性の炎症が統合失調症の病態生理に関与する神経の炎症につながる、ということを示していると言えそうです。
また、最近の研究では、肝硬変患者において腸管透過性を改善すると認知機能が回復することが報告されており、腸管透過性を抑えるための介入は、統合失調症患者の認知機能を改善する可能性があります。

最近よく耳にするようになった短鎖脂肪酸、特に酪酸は腸の炎症を抑えるとともに腸バリア機能を強化する、との報告がありますので、酪酸菌の含まれているサプリメントも有効かもしれません。
Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol.2020 Oct 21.

また前回2月2日に紹介しました「ラクトフェリン」は腸バリア機能を高めることが報告されています。
Front Nutr.2021 Apr 16
Food Funct., 2020,11, 8516-8526.

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