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ラクトフェリンは血清鉄パラメータとヘモグロビンレベルの改善に関して硫酸第一鉄よりも優れている

明日は節分ですね👹
最近は恵方巻だけではなく、「節分そば」なんていうのも売り出し中みたいです。チラシをみて知りました💦
また中国では春節であり、北京では冬季オリンピックも始まります。
ただでさえ免疫力が弱るこの時期ですので、より一層、手洗いとうがいをしっかりしましょう!
さて本日は、牛乳や唾液などにも含まれている「ラクトフェリン」に関する報告をお伝えします。
「ラクトフェリン」といえば、免疫に対して効果があるといわれていますが、貧血にも良い、それも鉄製剤よりも効果がある、という内容です。

▶論文概要
牛乳由来の鉄結合性糖タンパク質であるラクトフェリンは、消化器への耐性が高く、高用量の鉄を摂取したときに起こるような副作用が少ない特徴がある。
しかしラクトフェリンの鉄分増加作用のメカニズムは不明である。
そこで公表されている介入研究の系統的レビューとメタ解析を実施した。
ラクトフェリン補給は、血清鉄(WMD: 41.44 ug/dL; p < 0.00001)、フェリチン(WMD: 13.60 ng/mL; p = 0.003) およびヘモグロビン濃度(11.80 g/dL; p < 0.00001)に良い影響を及ぼした。
また硫酸第一鉄と比較して、鉄の吸収率(WMD: -2.08%; p = 0.02)およびIL-6レベル(WMD: -45.59 pg/mL; p < 0.00001)について減少効果を示した。
ラクトフェリンの鉄吸収への影響が弱いことを考慮すると、ラクトフェリンの抗炎症作用が鉄の状態と赤血球生成に対する効果を説明する潜在的なメカニズムである可能性がある。

▶論文情報
Comparative Effects between Oral Lactoferrin and Ferrous Sulfate Supplementation on Iron-Deficiency Anemia: A Comprehensive Review and Meta-Analysis of Clinical Trials
Nutrients 2022, 14(3), 543
発行日:2022年1月27日

貧血対策には一般的には今回の研究で示された硫酸第一鉄やクエン酸第一鉄(フェロミア)といった非ヘム鉄といわれる成分が使われます。また特に日本ではヘム鉄という豚の血液を原料にした鉄素材もサプリメントではよくつかわれています。
これらの鉄製剤、特に非ヘム鉄製剤は摂取すると胃痛などの消化器に不快感を生じることがあります。またヘム鉄でも腸の状態が悪いと吸収されにくくなり、便が黒くなるといったこともあります。
ラクトフェリンは、体脂肪を減らす効果や歯周病にも効果があるといわれていますが、あまり知られていないことですが貧血対策にも使われる場合があります(ラクトフェリン分子の中に鉄が含まれています)。
今回の報告では、ラクトフェリンが持つ抗炎症作用により、鉄製剤よりも効率よく体内の鉄濃度が維持、向上する、という結果でした。
貧血だからと言って、鉄製剤をたくさん飲むと、かえって体調を悪くすることもあり得ますので、ラクトフェリンを摂取することで様々な効果とともに貧血予防ができると言えそうです。

このほか、ラクトフェリンに関する最近の論文をリストアップしておきますので、参考にしていただければ幸いです。

◆ラクトフェリンが子供の睡眠の質を改善(森永乳業、信州大学)
◆ラクトフェリン代謝関連遺伝子の遺伝子変異は肥満有病率と関連する可能性(ポーランド)
◆牛乳由来ラクトフェリンは炎症反応とバリア機能を改善しマウスの大腸炎を緩和(中国)
◆ラクトフェリンは歯周病菌LPSにより誘発される脂質代謝異常を抑制する(ライオン)
◆ラクトフェリン経口投与はCOVID-19の神経系症状から保護できる可能性(USA)

またリンクアップのサイトでは毎日様々な領域の最新論文をアップしていますので、ぜひご覧になってください。
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