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銀行員として学ぶべき事②

とにかく多くの決算書に触れる機会を持つ事。

上場企業は別として、非上場の中小企業の決算書を見る事が出来るのは、税理士か銀行員くらいです。

ドラマ「半沢直樹」の証券会社左遷時代のシーンで、超高速財務分析をして粉飾決算を暴いたシーンがありました。

あんな事は無理ですが、決算書を見れば見る程、理解が深まるのは間違いありません。

決算書には、業種業界による違いは勿論の事、同業種であっても経営戦略の違いが現れます。

例えば、いま何かと話題の中古車業界を例にしましょう。

中古車といっても、ベンツ、BMW、ポルシェといった高級車からの、流行りのミニバン、SUV、30万円以下の激安中古車まで、お店の商品構成は様々です。

そして、それを買い求める客層(ターゲット)も大きく異なります。

そうした事業の結果が決算書に現れるのです。

MBAで学んだ時に講師の方の印象的な教えですが、
「誰が見ても完璧な決算書というのは存在しません。対前年比での比較、同業他社との比較、異業種との比較を通じて、自社の良い点、改善すべき点を考えるのです」
と教えて頂きました。

私は今でもこの教えを大事にしています。

銀行員を続ける場合も、私の場合転職して営業する場合でも、そうした蓄積は着実に自分を支えてくれます。

また可能であれば、優秀な経営者とそうでない経営者の会社の決算を見比べる事です。

例えば、銀行員時代に2つの歯科医院を担当していました。

一つの歯科医院は開業以来、患者数も順調に増加し、業績も非常に好調。
開業資金の融資があったので、毎年確定申告書をお預かりしていましたが、キャッシュが潤沢にある為、追加融資が一切必要はありません。
今お取引ありませんが、医院の前を通りかかっても駐車場は車でいっぱいです。

もう一つの歯科医院は、2代目に世代交代した歯科医院です。
先代は地元の組合の理事をされる程の方だったと聞いておりますが、2代目の方は秀でた者がなかったのでしょうか、経営状況は厳しい状況でした。
どれくらい厳しいかと言うと、自己資金で賞与の支払いが出来ない状況であり、融資の申し込みがある程でした。

その時に、同じ歯科医院であったとしても、業績がこれ程までに違うのか、と驚いた者です。

優秀な経営者というと色々な要素があると思いますが、私が考えるに
・判断が早い
・判断がブレない
・会社の経営に対してビジョンが明確
・撤退の決断が出来る
・モチベーションが高い
を挙げます。

特に、「撤退の決断」は重要な要素です。
優秀な経営者ほど、現実を真正面から受け止め、採算が見込めない事業を感情を抜きにして「やめる」決断が出来ます。

数は少ないですが、こうした経営者は私のお客様にもいらっしゃり、尊敬する経営者です。

今日も暑い1日ですが、こまめ水分補給を心がけて乗り切ってください。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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