長期のケトジェニック食はマウスの正常組織に老化細胞を蓄積させる
減量や糖尿病のために人気のある厳密な「ケトフレンドリー」ダイエットは、食事内容や個人によっては、それほどフレンドリーではない可能性があるようだ、という研究報告。研究者らは予防のために「ケトブレイク(休憩)」をとることを推奨している。
研究チームは、長期にわたる継続的なケトジェニックダイエットが正常組織の細胞老化を誘発し、特に心臓や腎臓機能に影響を与える可能性があることを発見した。しかし、研究によると、計画的なケトブレイクを伴う断続的なケトジェニックダイエットでは、細胞老化による炎症促進効果は見られなかった。
この発見は臨床的に重要な意味を持ち、ケトジェニックダイエットの有益な効果が計画的な休憩によって強化される可能性があることを示唆するものだ、と研究者らは指摘している。
ケトジェニックダイエットはケトフレンドリーとして一般に知られており、肝臓が脂肪を分解するときに生成する化学物質の一種であるケトンの生成を引き起こす高脂肪、低炭水化物の食事である。ケトジェニックダイエットは特定の健康状態を改善し、減量に人気があるが、炎症促進効果も報告されている。
研究では、2つの異なるケトジェニック食を異なる年齢で与えられたマウスが、心臓や腎臓を含む複数の臓器で細胞老化を誘発することが示された。しかし、この細胞老化は、老化細胞破壊物質(senolytic)によって排除され、また断続的なケトジェニックダイエットの処方に従うことによって防止された。
「細胞の老化は臓器疾患の病理に関係していると考えられているため、今回の結果はケトジェニックダイエットの使用を理解する上で重要な臨床的意義を持っています」と研究者はコメントしている。「他の栄養介入と同様に、『ケトブレイクをとる』必要があります。」
出典は『Science Advances』
http://dx.doi.org/10.1126/sciadv.ado1463