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「グリーンナッジ」で使い捨てカトラリー廃棄を大幅に削減

フードデリバリーの利用者にフォークを省略するよう促すと、プラスチック廃棄物が大幅に削減されるようだ、という研究結果が、『Science』誌に発表された。

研究者らは、アリババのオンライン食事注文プラットフォーム Eleme と協力して研究を行った。Eleme は、中国第 2 位のフードデリバリー会社で、2022 年時点でのユーザー数は 7 億 5,300 万人を超えている。研究者らは、使い捨てカトラリーの消費を削減するためのアリババの「グリーンナッジ」の有効性を評価しました。このナッジには、デフォルトの選択を「カトラリーなし」に変更することや、カトラリーを使用しなかった場合の報酬としてグリーン ポイントを含めることなどが含まれる。顧客が十分なグリーン ポイントを蓄積すると、そのポイントを引き換えて顧客の名前で木を植えることができる。

研究者らは、中国の主要10都市において、2019年から2020年までの2年間、各ユーザーの毎月の注文履歴を調査した。これらには、グリーンナッジが設定された 3 つの介入都市 (北京、上海、天津) とナッジのない 7 つの対照都市 (青島、西安、広州、南京、杭州、武漢、成都) が含まれていた。これらの都市の中から、著者らは約 200,000 人のアクティブ ユーザー (つまり、2019 年から 2020 年の間に少なくとも 1 回注文を行ったユーザー) をランダムにサンプリングして解析した。

その結果、研究者らは、グリーンナッジ(デフォルトを「カトラリーなし」に変更し、消費者にグリーンポイントを与える)によって、カトラリーなしの注文の割合が648パーセント増加したことを発見した。グリーンナッジが中国全土に適用された場合、年間217億5,000万セット以上の使い捨てカトラリーが節約され、年間326万トンのプラスチック廃棄物が削減され、544万本の木(割り箸から)が節約されることが研究者らは発見した。

「UberEats や DoorDash などの他の食品配達プラットフォームも、世界的に刃物消費とプラスチック廃棄物を削減するために同様の取り組みを試みる可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『Science

https://www.science.org/doi/10.1126/science.add9884


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