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彼女が食べてるものを私にも

社会集団への帰属意識は我々の食品選択に大きな影響を与え、より健康的な選択へと導く可能性があるようだ、という豪州フリンダース大学からの研究報告。

研究チームは、大学のコミュニティページで人気のプラットフォームであるFacebookグループを使用して調査を行った。参加者(女子大学生179人、18〜32歳)は、親近感を覚える(自大学)あるいは無関心になる(ライバル大学)グループのFacebookページを閲覧した。

参加者は、各々のページで、学生がキャンパス内の新しいカフェについて話し、そのカフェで何を注文したかを知らせる投稿を通じて、記述的規範情報に曝露した。投稿は、健康的または不健康な食品の選択に関する記述的規範を伝えたり表現したりしていた。

その後、参加者は、健康的な食品と不健康な食品の選択肢を提示され選択し、研究者らはその選択と、曝露した情報との関係を分析した。

その結果、フェイスブックで他の人が何を食べているかといった社会的規範に触れると、同じグループに属していない人よりも、同じグループに属する人から影響を受けやすくなることが明らかになった。これは「群衆心理」という古くからの格言に基づいている、と研究者らは述べている。

「人々がつながりや帰属意識を感じると、何らかの形で影響を受けやすくなることが分かりました。これは、人々が自分と共通のグループ利益や所属を共有する人の行動に共感し、それを内面化する可能性が高く、それが自分自身の行動の変化につながる可能性があるからです」と主任研究者のエヴァ・ケンプス教授は説明している。

とはいえ、「結果は有望ではあるものの、社会的影響とそれが人々の行動を形作る役割、特に食品に関して人々がより健康的な選択をするように影響を与える方法について理解を深めるには、さらなる研究が必要です」と教授はコメントしている。

また、筆頭著者のジュリアナ・グリーブス博士は次のように述べている。

「私たちの研究は、グループ内の人々は、他のグループメンバーと認識されている人々の行動を、適切または関連性のあるガイドと見なす可能性が高いことを示しています。したがって、グループのメンバーが健康的な選択をしているのを見たり、彼らから健康的な食べ物を勧められたりすることは、より健康的な食習慣を促進する可能性があります。」

「私たちの研究結果がこの分野でのさらなる研究につながり、最終的にはソーシャルメディアの場などにおいてより健康的な食品の選択を促進する健康キャンペーンや介入のための、より優れたコミュニケーションや支援資料が生み出されることを期待しています。」

出典は『Appetite

http://dx.doi.org/10.1016/j.appet.2024.107374


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