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非栄養性甘味料に反応するヒト免疫細胞

ダイエットドリンクには、摂取後に血流に入る非栄養甘味料の混合物が含まれていることがよくあるが、食事摂取レベルのサッカリン、アセスルファムK、シクラメートでさえ、白血球のさまざまな遺伝子のコピー率を調節するのに十分であるようだ、という研究報告。 

「我々のデータは、この調節が免疫細胞を特定の免疫刺激に対して敏感にすることを示唆している。同様に、味覚受容体が細胞免疫系の甘味センサーとして機能する可能性も示唆している」と研究者は述べている。 

研究チームは、10 人の健康な被験者を対象としたパイロット研究を実施した。研究の開始時に、参加者は体重1kgあたり10.7mlの甘味料溶液を飲んだ。溶液には、飲料に典型的な、1リットルあたりサッカリン76mg、シクラミン酸228mg、アセスルファムK53mgの混合物が含まれていた。摂取されたサッカリン、シクラメート、およびアセスルファムKの量は、欧州食品安全機関 (EFSA) によると、許容される 1 日の甘味料摂取量のそれぞれ約 16、35、および 6 パーセントに相当した。 

その後の血液分析では、試験溶液を飲んでから 4 時間後に血液中の甘味料濃度が最高になることが示された。そこで研究チームは、一方では、決定されたそれぞれの甘味料の最大濃度が、細菌の防御に役立つ白血球に対してインビトロでどのように作用するかを調査した。一方、研究チームは介入前後の被験者の血液から採取した免疫細胞をエクスビボで分析した。 

インビトロとエクスビボの両方で、甘味料の投与により、味覚受容体の設計図を含む遺伝子のコピー率が増加した。さらに、甘味料は、免疫系の調節タンパク質をコードする遺伝子のコピープロファイルを調節した。研究チームによると、これは必ずしも細胞機能の変化につながるわけではないという。それにもかかわらず、さらなる研究結果は、調節された転写プロファイルが、少なくとも単離された免疫細胞を、3つの甘味料の存在下で細菌刺激に対してより感受性のある状態に細胞を移行させることを示唆した。 

「我々の結果から、味覚受容体は口の中だけでなく免疫細胞上でも食物関連の刺激センサーとして機能するという仮説が導き出される」と研究者はコメントしている。

出典は『Nutrients


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